
常勤で医療機関に勤務されている先生の中には、先生によって待遇が異なったり、振られる業務が異なるなどの差は多かれ少なかれあると思います。多少はやむを得ませんが、あまりに露骨な差であると、不公平だと感じるような状況もあると思います。今回は医師の待遇の差について考えていきます。
医師間の待遇の差は割とある
医師の間でも忙しさに差があるのは、特に診療科が異なる場合に顕著であると思います。特に外科系の先生は残業が多く、オンコールなどの負担も多くなりがちです。しかし診療科によって給与に差がつく病院は多くないのが現状です。いまだに年功序列、経験年数が評価の対象になっているところも多いのが現状です。
診療科による差はまだ許せるという先生や、構造上どうしようも無いと諦められる先生もいらっしゃると思いますが、診療科内部で、忙しさや業務強度に差があると、不公平な気持ちになるのが人間の反応かと思います。有給消化率や当直、オンコールの頻度、残業時間、休日出勤、担当患者数など、給与はあまりかわらないのに、自分ばかりが忙しいということに不公平感を感じる先生もみえるでしょう。特に専門医取得したくらいの中堅のポジションになると、一通りの業務ができるようになって、ちょうど損な役回りをしなくてはならないケースが多いように思います。
育休、介護休暇などによる差
これは現在の社会的にかなり微妙な話題なので、挙げることがためらわれる内容なのですが、育児休暇や介護休暇なども、使い方によっては、やはり忙しさに差が出てしまうのは事実です。小さいお子さんがいる先生は、時短勤務や当直オンコール免除の働き方を認めている病院もあります。それ自体は私は非常によいことだと思いますし、大賛成です。
しかしながら、同僚が育休や介護休暇を取得することで、しわ寄せが他の医師に来てしまうのが、現実であると思います。一人当直ができなくなれば、その分は他の医師が埋めなくてはならず、結果的に負担が増えるのは他の医師です。これらはお互いさまなので、仕方ない部分はありますが、このような制度を使う予定がない先生には、損と感じてしまっても仕方ない面はあるのかな、、と思います。これは本当に難しい問題ですね。
あまりに不公平と感じる場合は転職も視野に
不公平さが限度を超えていると思われる場合は、思い切って職場を変えてみるのも一つの選択肢だと思います。その医療機関の内部改革を行うことも選択肢としてはあるかと思いますが、それは先生の仕事ではなく、管理者の仕事です。先生の労力はコストパフォーマンスに見合わないと思われます。そのようなことに労力を割くくらいなら、優良求人を探して転職した方が現在の環境を改善できる可能性が高いです。先生が割けるリソースにも限りがあります。できれば状況を改善できる見込みがあることに、リソースを割くほうが賢明です。
実例を少し
私も以前常勤で勤務している時に、このような不公平な待遇に辟易した経験があります。とある医師は日直も当直もやらず、なぜか入院患者も受け持たず、平日日中の救急当番も断っており、他の医師からみて明らかに業務量が少ないにもかかわらず、給与は経験年数相当という、誰がみてもおかしい状況にありました。また有給休暇の消化もしっかりと行っていました。他の医師もおかしいと思っていたらしく、さすがに不公平であるという声が上がったようです。その医師がどのような契約をその病院としていたのかは定かではありませんが、特に是正されることもなく、、何だったのか今でも疑問です。あまりに露骨に仕事をしない人が一人でもいると、さすがにモチベーションが下がるので、できれば改善して欲しかったです。
常勤医師は一度入職してしまえば、業務を断るくらいでは解雇できないので、人の目を気にしなければ居座り続けてしまうことも事実上可能です。これもなんとも難しい問題だと思います。。。