上手な退職方法

転職する場合は、基本的に元の職場を退職することが多いと思います。退職する職場と、もう二度と関わりが無くなる場合もありますが、医療業界は思いのほか狭い世界なので、思わぬところで関わりをもつケースもあります。退職時は気持ちよく行った方が良いです。
今回は退職に際してのポイントを解説していきます。

辞めるからと最後にやりたい放題やるのは、避けるべき。

勤め先に不満がある場合に退職する場合、どうせ退職するのだからと、感情をあらわにして、あとに遺恨を残すようなやめ方をしてしまう先生を稀にみかけますが、これは絶対に避けるべきです。医療業界は、たとえ遠方に引っ越すような場合でも、どこで繋がっているかわかりません。また良い評判よりも悪い評判の方が伝わりやすいものです。やめるときほど、きれいにやめるのが、今後の転職先でも上手くやっていくコツです。

仁義を通す

お世話になった上司の先生や、事務方の幹部の方などには、しっかりと挨拶をしておいた方がよいです。繰り返しになりますが、たとえもう会わないと思われる場合でもです。むしろ二度と会わないと思われる人ほど、最後の印象は良くしておいた方が良いでしょう。なにか不満があるなどで、気が進まない場合でもでも、最後の最後だけは、しっかり筋を通しておくと印象が良くなります。

お茶菓子の用意を

直属の上司やお世話になった部署、可能なら少しでも関わりがあった部署には高いものでなくてよいので、お菓子を持って挨拶をしておくと良いです。デパ地下で小分けになったお菓子を用意するのが無難です。意外に喜ばれます。忙しければデパートの通販で、一括購入して病院に自分宛てに送ってしまうのがよいです。デパートなら小分け用の袋もしっかり入れてくれます。転職の時期は、残務の整理や引き継ぎやら引っ越しやらで、なかなか気が回らなくなりがちですが、ほんの一手間で、本当にスムーズに気持ちよく元の職場を卒業することができます。ぜひこの手間は惜しまないで頂きたいです。ちなみに私はよく高島屋のオンラインストアを利用していました。結構便利です。

お世話になったスタッフにも

訪問診療や外来、病棟などで、特に親しかった人には予め退職を伝えておくのがよいです。ただどこまで伝えるか、タイミングなど、線引が難しいところはあります。こちらはあまり神経質にならずに、先生が事前に伝えたいと思う方に伝える形でよいかと思います。先生方も他の職員が退職の際、少し前に教えてもらった経験があると思います。意外に事前に教えてもらえると嬉しいものです。

患者さんにも事前に伝える

外来で長期間診ていた患者さんには、最後の診察になる前に、退職の旨と担当医が替わることを伝えておくのがよいでしょう。私は最後の診察の2−3回前の診察で早めに伝えておきました。長期処方の患者さんもおられるので、先生の退職タイミングによっては直前になってしまうケースもあるかもしれませんが、こちらも可能な範囲であらかじめお伝えしておくとよいと思います。

患者さんのサマリは計画的に

患者さんを他の医師に引き継ぐ際はサマリを作成すると思いますが、これが結構時間がかかる作業です。特に退職直前はやることが多く、バタバタすることが多いので、極力早め早めに少しずつでもやることをおすすめします。長年勤めていると数百人になるケースも珍しくないでしょう。一気にやろうとすると本当に大変です。可能なら普段からサマリをこまめに作っているのが理想ですが、忙しい臨床の現場ではまず現実的ではないでしょう。退職が決まった段階で一日数名ずつでも作り始めることをお勧めします。(最初の一歩が一番重いのですが。。。)

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