
転職活動をしていると、書類選考や面接で落とされてしまうこともあります。このような状況ではどのような先生でも、多かれ少なかれショックを受けると思います。特に転職活動が長引いている場合は深刻です。しかし、不採用には医療機関側の事情が影響していることも多く、決して先生のキャリアや人柄が否定されたわけではありません。本記事では、面接に落ちたときにどう考えるべきか、前向きに気持ちを切り替えるための視点、そして転職活動のヒントをお伝えします。
気にしないというのは難しいかもしれないが。。
先生が転職したいと思える職場が見つかっても、履歴書を送ったところで止まってしまう、面接まではいったものの、内定を得られない場合もあると思います。私にも経験がありますが、このようなケースではかなりショックを受けると思います。気にしないで、、、と言葉で言うのは簡単ですが、実際は難しいと思います。特に事前に先生が気に入っていた求人で上手くいかないと、精神的にかなりのダメージを受けると思います。
しかし冷静に考えれば、先生が転職できる医療機関は、日本全国にそれこそ無数に存在します。その1つ、2つから断られたところで全く問題はありません。もし上手くいかなくても、ご縁がなかったと割り切って、次の求人を探すことをおすすめします。
多くは先方の勝手な都合であることも多い
書類選考や面接まで行っても、上手くいかないケースでは、実は先生に問題があるのではなく、医療機関側の都合であることも多いです。非常勤で募集をかけていたが、急に常勤の先生が入職する運びとなり、枠が充足した等の、事務的な理由であることもあります。気にしても本当に仕方がないような理由も少なくないので、縁がなかったと思って、すぐ次に切り替えて進まれることをおすすめします。
先生のキャリアや人間性を否定されたわけではない
当然ですが、たとえ内定が得られなかった場合でも先生の今までのキャリアや人間性を否定されたわけではありません。一番避けたいことは、結果を過度に気にしてしまい、その後の転職活動に差し支えてしまうことです。例えば転職のきっかけになった当初の条件を変えて、転職できそうな求人に妥協してしまうことや、仕事自体がどうでも良くなってしまい、モチベーションが下がってしまうことは避けたいです。
今までは医師が落とされるとはあまりなかったが、、
長年にわたり、全国的に医師不足の状況でしたから、医師の就職、転職市場が売り手市場で、医師側に有利な状況が続いていました。人口減少に伴う病院の統廃合がある中、医学部定員の増加により医師数は増えています。人口に対する医師の比率は確実に増えている状況です。
このような状況ですから、今後の転職市場では、医師でも内定が得られないということは珍しくなくなると思います。正直今までは、医師が面接まで行って落とされるようなケースは多くなかったと思います。むしろ複数の医療機関から内定を得て、先生が選べるくらいの状況でした。しかし今後は医療機関側が、複数の医師から最適な先生を選ぶという時代になると思います。事実そのようになりつつあると私は実感しています。
もしかすると、怖い先生というイメージを与えてしまっているかも
もし先生が面接まで行ったものの、内定が得られないことが続く場合、相手側に怖い先生というイメージを抱かせてしまっている可能性があります。医師転職では、意外なほどに診療能力そのものが問題になるケースはありません。そもそも面接では診療能力など測りようがなく、履歴書の経歴や資格で判断するしかありません。むしろ重要視されるのは、その先生の人柄や、話しやすさ、仕事のしやすさだったりします。
そのため従来型の古風な威厳のある医師として、面接官に印象を抱かれてしまうと、医療機関によっては、そこで落とされてしまうケースもあります。面接では、極力話しやすく、怖い先生と思われないように印象付けるようにすることで、これを回避できます。
可能であれば、転職エージェントと模擬面接を数回行っておくと、かなり印象を変えることができると思います。経験のある先生に何を今さらと思われることは重々承知で申し上げますが、はっきり言って、模擬面接の対策までして転職活動をする医師はほぼ皆無です。ほんの一手間で他の医師に圧倒的な差をつけることが可能です。
一旦離れるのもあり
もし転職活動に行き詰まりを感じた場合は、思い切って一旦転職活動からは離れることも現実的な選択肢です。まだ退職前であれば、ひとまず今のところで勤め続けることも良いと思います。もし退職後であれば、スポットのアルバイトや非常勤の仕事を行い、生活費は確保しながら、数ヶ月、転職活動のことは忘れて気分を変えてみるのもよいと思います。転職はどうしても求人に流れがありますから、少し時間をおいて風向きが変わると、いいところが見つかる可能性もあります。
転職で落とされた私の経験
私の経験をお話ししてみようと思います。私はちょうど家からの距離も近く、給与や他の条件もよい医療機関を見つけたので、転職エージェントを通じて履歴書を送りました。しかし条件が比較的良かったためか、同時期に応募が数件あったようで、結果私は書類選考で落とされてしまいました。事前に情報も精査して、かなり気に入っていた求人だったので、結構ショックを受けました。
しかし他の先生が選ばれたのであれば、執着しても仕方がないので、他の求人を探していたところ、たまたま条件が良い求人がみつかり、今回はそこに決まる運びとなりました。
あとから冷静に振り返ると、一度落とされた後に見つかった求人の方が、私にとっては都合が良かったのです。負け惜しみではなく、本当に良かったと思いました。転職も人生も何があるかわからないもので、人間万事塞翁が馬とはこのことかと思いました。
友人の例
また私の友人医師の例もご紹介してみます。その先生も最初に受けた医療機関にかなりの高給、好条件を提示され、もう半分決まったような状態でしたが、結局最後に落とされてしまいました。かなりショックを受けていたと思います。しかし本当に何があるかわからないもので、そのクリニックは大手医療脱毛クリニックでした。その後、本当に偶然ですが同じ系列のクリニックに就職した知り合いの先生が、いわゆる雇われ院長の問題等で結構大変だったことを伺いました。医療脱毛の業界で色々あったことは周知のとおりです。(参考記事→医療脱毛クリニック経営破綻の衝撃 自由診療での院長(管理医師)案件の注意点)その先生は7-8年後に再会して話を伺ったところ、あのときはむしろ面接に受からなくて本当に良かったと言っていました。本当に何がどうなるかは、短期的な視点ではわからないこともあると思います。
まとめ
私が今回の記事でお伝えしたいことは、たとえ狙っていた求人で内定が得られない場合も、どうか気を落とさないでいただきたいということです。転職は縁や運もあります。むしろ努力でどうにもならない要素が多い世界です。次の求人に気持ちを切り替えて、転職活動を進めていけば、むしろ後でもっと良い案件に巡りあえる可能性も十分あります。あとになって振り返ると、むしろあのときに受からなくて良かったと思う日が先生にも来るかもしれません。どうか転職が上手く進まないときも、諦めず、悲観しないでいただければと思います。