ミニマム労働がコスパ最強か

医師は給与的に恵まれていることは広く世間で知られていますが、もう一つ、仕事を見つけることも容易であるというメリットは、あまり知られていません。非常勤のお仕事やスポットのお仕事は、今やインターネットを使うことで、非常に簡単に探すことが可能で、多くの仕事から比較検討し、優良求人を探すことも容易になりました。

高給であることと、非常勤の仕事を確保しやすいことをかけ合わせると、最小限の労働でそこそこの年収を安定的に確保するという裏技が使用できます。今回はこの手法を「ミニマム労働」と名付けて、そのメリットについて考えていこうと思います。

医師は週1の労働でサラリーマンの平均年収を稼げる 

国税庁の平均給与の資料によると、”一年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は461万”とされています。一方で医師が週1回のアルバイトを行った場合、年間の労働日数が祝日も考慮して仮に50日と仮定すると。日給×50 が今回の年収になります。例えば日給10万円の高単価の仕事を選べば、年収は500万円となり、週一日の労働で上記の平均給与を上回る計算になります。これはかなり大きいです。

高年収の仕事は他にもあるが、なかなかこのようには行かない

週1日で年収500万円とすると、週5日働いた場合は年収2500万円に相当します。世間的にみてもかなりの高収入ですが、あり得ないわけではありません。成功しているビジネスオーナーや、大企業の役員など、あるといえばあるでしょう。しかしそのような人たちも、週1日に労働日数を減らして、年収500万を維持できるかといえば、実はそうでもありません。高年収であるものの、フレキシブルに仕事を調整できるわけではないのです。例えば航空機のパイロットなども、高収入の代表ですが、常勤が前提であり、アルバイトで飛行機を飛ばすことはおそらく難しいでしょう。

そのように考えると、医師は高収入でありながら、フレキシブルに働き方を選べるというかなり恵まれた状況にいることがわかります。

全く働かないのはもったいないかも

医師の中にはライフイベントやご家族の都合などで、仕事を離れる先生も少なくありません。しかし週1日でも働けばかなりの年収になるものですから、経済的な観点から言えば、全く働かないのは、少しもったいないかもしれません。もちろん家庭が忙しいときは、そちらに注力する方が良いですが、少し落ち着いたら、週1日でも復帰するのは有効で、税金などのコスパ的にも良いと思います。

資産形成に成功して逃げ切ったドクターにもオススメ

先生の中には、もう十分資産があるので、働く必要がない、いわゆるFIREの状態の先生もいらっしゃると思います。そのような先生にも、週1日程度働くのはオススメです。週1日であれば、負担も少ないでしょうし、臨床の勘も維持できます。また完全に仕事から離脱することは、耐えられない先生が多いのではないかと思います。少しでも働けば、資産からの所得以外に給与所得も得られるので、経済的な地盤はさらに安定します。給与所得が少しでもあれば、たとえ金融危機が起きても、資産の取り崩しをセーブできます。

週1日でも有給休暇が取れる

これは意外に見逃しがちですが、たとえ週1日の非常勤の勤務であっても、有給休暇は取得可能です。(参考記事→有給休暇は非常勤でも取れる!)勤務年数によりますが、週1日でも年間1日から3日の有給休暇が発生します。これは使わないと損ですので、必ずチェックしてください。

税金的なコスパも良い 

医師の場合は、高給であるものの、結局のところ給与所得であるため、一定以上になるとガッツリと税金を取られるようになります。給与の割に、税金が増えてしまい、労働に対する手取りのコスパが急に悪くなります。しかし週1日で勤務をセーブすれば、税金もそこそこで済むので、労働に対しての手取り割合は増えます。コスパ的にも良いです。

極端な例では、例えば週5日働いて年収2500万確保し1年間働くのと、週1日働いて年収500万を確保し5年間働くのでは、後者の方が同じ労働時間でも手取りは多くなるわけです。一気に高給を確保するよりも細々とでも継続する方がトータルリターンは大きくなります。まさに継続は力といえます。

臨床の勘も維持できる

週1日でも外来などに出て臨床の仕事をしておくと、臨床の勘も維持しやすいです。全くゼロとはだいぶ違います。今は他のことに注力したい先生や、仕事をダウンシフトしたい先生も、全く仕事から離れるよりも、週1日でも継続しておくと、必要になった際にも復帰しやすく、オススメです。履歴書でも非常勤の勤務経歴を書いておけば、次の転職の際のアピールポイントにもなります。上記のようにミニマム労働にはメリットも多いので、オススメです。

ミニマム労働のまとめ

今回は医師の「仕事が得やすい」というメリットに注目して、記事を書いてみました。医師の高給面に注目されるケースが多いですが、上述のように、仕事をフレキシブルに確保しやすいというのも、実は隠れた大きなメリットであると思います。実は医師はこの形態を用いればセミFIREや、QOLを重視した働き方なども選ぶことが可能であり、このメリットを活かしきっている先生は少数のような気がします。以前の記事(自分の時間を取り戻す転職プラン)などもご参考に頂きながら、先生の人生を充実させて頂ければ幸いです。

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