自由診療での院長(管理医師)案件の注意点

医療脱毛クリニックでは常勤の募集もあります。週5日勤務で2000万円以上の求人もざらにあり、給与面でかなり恵まれています。しかし非常勤と違い、常勤の場合は様々な責任やリスクを引き受けることになりますので、注意が必要です。以下で解説していきます。

院長(管理医師)は注意

医療脱毛クリニックでの常勤医師の募集は基本的に院長(管理医師)の募集です。先生が名義上その分院の院長(管理医師)となります。管理医師となった場合は、いわゆる雇われ院長であったとしても、管理者、開設者は先生になり、スタッフの雇用や、税務も含めて名義上は先生の責任となります。法人開設の場合は開設者についてなど、少々事情が異なる場合もありますが、形態はどうあれ、簡単にいえば非常勤の医師とはだいぶ立場が変わり、責任が非常に重くなるということです。

開設者も先生の名前を使用する場合、医療機器のリースの契約も先生の名義となると思って下さい。この場合は先生が借金を背負うような形になります。もし経営がうまく行かなくなり、倒産した場合、先生が借金の責任を負うことになりえます。

医療脱毛クリニックでは常勤はオススメしない

医療脱毛クリニックにおける常勤は非常に責任が重く、一定のリスクも背負うことになります。ほとんど先生がご自身で開業するに等しいリスクを負うと思って下さい。もちろん法人が細かいことは全て手配してくれるので、実際にご自身で開業するという実感は薄いと思いますが、非常に穿った見方をすれば、法人が、給与と引き換えに先生の名前を使って大きなリスクを取らずに新たな分院を増やしているとも言えます。

最悪の場合先生のキャリア傷がつく

経営が上手く行って、特に問題がなければよいのでしょうが、もし先生が院長を勤めるクリニックが経営破綻した場合は、先生のキャリアに傷がついてしまいます。借金を背負って破産した場合は、社会的にも先生の信用は大きく損なわれてしまいます。 

すぐにやめられない

また管理者になると、たとえ家庭の事情や病気などが理由でも、すぐにやめることが難しくなります。先生が管理医師のため、先生が辞めてしまうと、クリニックの運営ができなくなってしまうからです。少なくとも後任の医師が見つかるまでは勤めなくてならない場合や、契約期間が残っている場合は、損害賠償を請求される可能性もあります。名目上は労働者のような立場にありながら、社会的には労働者とは扱われないため、自由が効かなくなってしまうのです。

労働者でないため、守られなくなる

管理医師は、契約形態にもよりますが、経営者の立場になり、労働者ではない扱いとなり、法人との契約形態にもよると思われますが、雇用保険や労災保険も適用外される可能性が高いです。このあたりは事前に必ず確認した方がよいです。その場合病気やけがで休職する場合も保障を受けられません。また基本的に有給休暇もありません。事実上は労働者のような形態にもかかわらず、労働者が通常使える権利が使用できない不利な状況になってしまうのです。

待遇が良い場合もよく考えて!

医療脱毛クリニックで常勤募集では、年収2000万円以上も普通です。しかしそれ相応のリスクとセットになります。最悪うまく行かなかった場合は、高給どころか借金を背負う可能性があることを忘れないで下さい。

医療脱毛クリニックに限らず、院長(管理医師)は注意

院長(管理医師)の契約で注意が必要なのは、何も医療脱毛クリニックに限りません。自由診療に限らず、保険診療のクリニックでも同様に注意が必要になります。クリニックの常勤については、事前に十分確認をして契約をするようにして下さい。この場合は求人会社だけでなく、第三者に書類を確認してもらった方がよいです。その場でサインをすることが絶対に避けて、一度持ち帰り専門家や信頼できる人に相談したほうが良いです。もし、すぐその場でサインを求められるようであれば、、、何も言えません。。。。

まとめ

医療脱毛クリニックでのお仕事は、非常勤についてはオススメできますが、常勤になると一般的に思われている以上に責任やリスクを伴うことになります。もちろん医療脱毛クリニックの常勤にも優良な求人はあり、経営母体がしっかりしていて、法令も遵守しているところもありますが、中にはそうでないところもあります。特に医療脱毛が普及してきたことで、医療以外の業界からの参入もあり、玉石混交の状態となっています。もし医療脱毛クリニックで常勤をお探しの先生は、これらのことを念頭に、十分吟味して転職をしていただければ幸いです。

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