ブランクがある場合

転職をお考えの先生の中には、健康や家庭の事情でしばらく臨床の現場から離れておられる先生もいらっしゃると思います。一度現場を離れると、復帰にハードルを感じる先生は少なくありません。しかし転職市場では、ブランクがあっても就職可能な案件はあります。今回はブランクがある先生の転職について解説していきます。

ブランクがあっても転職は可能。

超急性期の忙しい病院は別ですが、ブランクがあっても再就職は難しくありません。状況や、目指す目標によって異なるので、以下のケースで場合分けして考えてみます。

状況別の考え方

1.専門医取得後に現場を離れた場合

専門医取得後の先生であれば、臨床スキルは大丈夫でしょう。現場に復帰すればすぐに感覚も取り戻せるので、転職も特に問題なく進みます。

この場合は、目標をどのようにするかが焦点になります。以前の専門に戻ってバリバリやっていきたいか、そこそこの忙しさでやっていきたいかなどです。専門を活かしつつ在宅医療に転向することも可能です。在宅医療は未経験の先生でも、元々の専門科の経験があれば問題ありません。在宅経験不問の仕事もかなり多くあり、レクチャーしてもらえます。

2.専門医取得前に現場を離れた場合

専門医取得前の先生は、専門医取得を目指すか、専門医は目指さずに臨床の仕事をするかで大きく進路がわかれます。

専門医を目指す場合

あらためて専門医を目指す場合は、専門医取得が可能な認定施設へ就職する必要があります。診療科によっては、大学医局に所属する必要があるので、注意が必要です。メジャー科の場合は民間病院でも専門医取得が可能なケースがあります。その場合は、専攻医として就職することになりますが、この場合は就職のハードルは比較的低いと考えられます。ただし専攻医としての就職の場合は、条件はあまり選べないことも多いです。

専門医を目指さない場合

専門医を目指さない場合は、多くの仕事の選択肢があります。元々の専門性を活かす仕事をすることも可能ですし、元々の専門とは異なる仕事も可能です。先生の目標をや、ワークライフバランスなどをすり合わせて仕事を選んでいきます。専門医がなくともスキルがあれば特に転職時に困ることは少ないです。現状では専門医必須の転職の方が少ないためです。

3.特に仕事内容にこだわらない場合

仕事内容に特にこだわらず、ワークライフバランスやQOLを重視したい場合は、仕事の内容よりも待遇や条件面で合う転職先を探していくことになります。特にブランクが長い場合は、元々の専門科で経験を積んでいても元の診療科に戻るには心理的に抵抗がある場合があります。そのような場合は、健診の仕事や、自由診療で特別なスキルが不問の仕事、在宅医療の仕事などがオススメです。常勤にこだわらなければ、これらの仕事をいくつか組み合わせて行うことも可能です。また最初からフルタイムでの復帰に不安がある先生も、週数回からリハビリ勤務のように始めてみるのはいかがでしょうか。

仕事にこだわらなければ、医師の仕事はいくらでもある。

一度ブランクができると医師の仕事に復帰するのは難しいと思われる先生が多いようです。しかし医師の仕事は多岐にわたります。特別なスキルを必要としないくても、医師の資格があるだけで成立する仕事はあります。どのような形でも先生が働かれることは社会貢献になります。

最初の一歩に敷居を感じる場合は、健診や献血のスポットアルバイトから始めてみると良いと思います。少しでも現場に戻ると感覚が戻ってきて、出来る気持ちになってきます。

補助解説動画