転職エージェントは大きな力になる。

今回は転職では欠かせない存在である、転職エージェントの話題です。前回の記事では転職エージェントの注意点にフォーカスしましたが、今回は、転職エージェントのプラス面にフォーカスした内容になります。前回(参考→転職エージェントを信用しすぎない)の後編にあたる内容であり、あわせてお楽しみ頂ければ幸いです。

転職エージェントは転職活動に必須の存在

転職活動には、やはり転職エージェントの協力は必須です。もし転職エージェントや求人会社を利用せずに転職活動を行う場合、諸々のことをすべて先生が行わなくてはなりません。求人検索、面談設定、条件交渉、細かい条件のすり合わせなど、すべてを先生が担うのは現実的ではありませんし、そもそも応募出来る求人を探すことが極めて難しいです。そのため転職する場合、転職エージェントとは必ず関わりをもつことになります。

優秀なエージェントを味方につけると非常に心強い 

転職活動において、優秀なエージェントが担当についてくれると、転職活動が非常にスムーズに進みます。ある意味転職成功の可否はエージェントの力量に左右されるくらいです。給与や待遇の交渉もするかしないかだけで、最初の条件とかなり変わることは普通です。転職の条件交渉に慣れている先生は一般的にはいないでしょう。やはり頼りになるのはエージェントです。もちろんあまりに無理がある希望は難しいですが、意外に交渉でどうにかなることも多いです。

優秀なエージェントの特徴

前回も少し触れましたが、私が出会った優秀なエージェントの特徴は、レスポンスが早く、都合が悪い情報も教えてくれる、嘘はつかないなどでした。それに加えて長期的な視野でキャリア形成も考えてくれるのも特徴です。今回は長期視点について深く考えてみます。

多くのエージェントは、次の転職先についてはよく考えてくれますが、その先まで見据えてくれるエージェントはやはり少ないです。しかし一部の方は、長期的な視野で、医師人生のキャリアを見据えてアドバイスをしてくれて、一緒に転職先を考えてくれます。

「〇〇の仕事は向こう数年はいいけれど、長い目で見ると、キャリア形成的によくないかもしれない。」「この仕事では、もしかしたら卒後年数に見合うスキルが持てず、できる仕事が非常に限られてしまうか、最悪路頭に迷うことになってしまうかもしれない。」「短期的には遠回りに思えるかもしれないが、もし定年まで医師を続けるつもりなら、この分野では専門医資格を取得した方がいいと思います。」
など、場合によっては耳が痛いような言葉もありますが、本気でこちらのことを考えて助言してくれるエージェントもいました。

本来はそこまで考えるのは、転職エージェントの仕事の範疇を超えているのかもしれません。転職エージェントは、先生の次の転職先を斡旋するのが仕事です。転職後にもし再転職が必要になった場合でも、そこでまた関われるとは限りません。またキャリア形成がもし上手くいかなかったとしても、転職エージェントの責任ではないでしょう。

しかし先生のキャリア、人生設計までを見据えて考えてくれるエージェントは、転職後のこともよく考えてくれているのだと思います。短期的には良いけれど、長期的にリスクが高いような仕事は勧めません。不思議なことにそういうエージェントはやはり引く手あまたなのか、いつも忙しそうです。

もうひとつ優秀なエージェントの特徴を挙げるとすれば、医療機関側からの信頼が厚い人です。医療機関側から信頼されているエージェントは、やはり信頼できます。条件の交渉や確認も話が早いです。逆に医療機関側から嫌われているような人は注意が必要です。先生の前では丁寧だとしても、人によって露骨に態度を変えているのかもしれません。一般的に、人としてそもそも信頼できないようなエージェントは、何かしら問題があることが多いので、警戒が必要です。

エージェントとは相性もある

エージェントも人間です。優秀かどうかということも重要ですが、先生との相性も同じくらい重要です。先生が率直に話せる、相談できるというエージェントが理想です。どんなに優秀でも相性があわないと、信頼関係を作ることが難しく、ちょっとした意思疎通の行き違いで、思った転職に至らないこともあります。先生がこの人なら話しやすくていいな、と思われるエージェントがよいと思います。

前回も含めたまとめ

このサイトでは、どちらかと言えば転職エージェントとの付き合いには注意が必要です、という内容の方が多いかもしれません。それは私が先生サイドの立場で考えているためです。私も一杯食わされた、苦い経験があることから、なるべく先生には同じ轍を踏んでほしくないと考えているためです。ですが、転職エージェントに良い仕事を紹介してもらったり、的確な助言で救われたことももちろんあります。大切なのは相手の利益構造を理解した上で、信頼しすぎず、依存せず、先生の信念を大切にして、上手な距離感で付き合うことだと思います。またどのような人に当たるかは本当に運任せです。エージェントと相性が合わなければためらわず、他の会社にあたりましょう。

私が最後にお伝えしたいことは、先生が信頼できるエージェントとなかなか出会えなかったり、良い求人が見つからないような状況でも、決して諦めないで欲しいということです。私にも転職活動が上手くいかず、かなり悩んだ時期があります。信頼できるエージェントも出会えず、希望する求人も見つからず、投げやりな気持ちになり、荒んだ気持ちになっていた時期もありました。上手くいかない状況が続いて、焦って転職先を決めてしまい、結果的に失敗した経験もあります。

後から振り返ると、もっと冷静になって、淡々とやるべきことを行っていれば、違った結果になっていたかもしれないと思います。その時の風向きが悪ければ、スポットアルバイトをしながら、待っていればいずれ良い求人も巡ってきたかもしれません。意外かもしれませんが、転職では待つことも一つの活動だと私は思います。

またエージェントも本当にいろんな方がいました。誰もが親身になってくれるわけではなく、あまりやる気がない人や、ろくに求人を探してくれない人もいました。そんなときはあまり執着せずに、すぐに他に当たることをおすすめします。経験的にですが、動いてくれない人に囚われるのは時間と労力の無駄になることが多いです。先生の貴重な時間がもったいないです。

先生が良いエージェントと巡り合い、転職が成功されることを応援しています。

補助解説動画