
今回は転職とはテーマがずれますが、医師の投資先というテーマで考えていこうと思います。前回は忙しい先生向けに、もっとも無難と思われる投資信託を具体的な名前を挙げてご紹介しました。今回はもう少し進めて、インデックスファンドだけでなく、高配当ETFも含めてご紹介しようと思います。
(※投資につきましては、リスクを伴いますので、自己責任にてお願い申し上げます。)
前回の振り返り
前回は、もし一つ選ぶならという視点で、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)という商品をご紹介しました。こちらの商品はこれ一つで、全世界の株式に投資することが可能で、手数料も安く、資産規模も大きいので長期的な投資として最適解の一つと思われます。実際私も投資先の一つとして利用させて頂いています。再投資など面倒なことも一切不要なので、余裕資金を適宜積み立てていくだけで良く、投資タイミングも、長期的にみれば気にする必要はないとされているので、もっとも無難で、楽な投資先であると思います。
eMAXIS Slim 全世界株式 以外の投資先は?
全世界株式以外で、有力な候補は米国株式だと思います。全米株式、S&P500などの商品で、これらの投資を行う多くの投資信託が存在します。こちらもS&P500については、全世界株式同様にeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)という商品が存在します。こちらも手数料が安めで、証券口座では最も人気のある商品の一つです。
全世界株式か米国株式かというのは、専門家でも意見が分かれるため、なんとも難しいですが、迷うようであれば全世界株式が無難なのではないかと思います。このあたりの比較はYouTubeなどで検索するといくらでも解説動画が出てきますので、専門家の解説を参考にしていただければと思います。
高配当ETFという選択肢
純粋に資産を拡大することが目的の場合は、上記のような投資信託で地道に資産を積み上げていく方法がおすすめですが、上記の投資信託の場合は配当金が出ないので、資産が増えてもあまり実感が得られないというデメリットがあります。
配当金を定期的に得ることで、資産が拡大している実感を得たい場合は、上記のインデックスファンドではなく、高配当の株式を集めたETFが一つの選択肢として上がります。最も有名なものとしてはVYMという商品です。この商品ひとつで米国の400社ほどの配当金が高い株式に分散投資が可能です。手数料も安く人気の商品です。こちらも先生方の投資先として一つの選択肢となるのではないかと思います。
インデックスファンドか高配当ETFか?
インデックスファンドか、高配当ETFかは、先生によってお考えや好みがあるかと思いますので、どちらも良いと思いますし、一定の割合に分けて両方行うという選択肢もあります。上記で挙げた商品はいずれも投資業界では最も人気がある王道の選択肢ですので、下落相場で一時的にマイナスになることはあっても、長期的にみれば勝てる可能性の方が高いと思われます。(もちろん絶対保証はできかねますが、怪しいファンドや詐欺まがいの商品に比べれば、圧倒的に勝てる可能性が高いと考えます。)
個別で高配当の株式を買うのはありか?
配当金を多く得たい場合はETFなどの詰め合わせパックではなく、先生ご自身で個別株を買って、先生独自のポートフォリオを作る選択もありますが、投資が好きな先生以外にはオススメしません。相場や市場をチェックする手間が生じて面倒です。これらは基本的に投資が趣味の先生向けです。また個別株は、大きく上昇する可能性もありますが、銘柄選びに失敗すれば当然損してしまう可能性もあります。
結論としては、お忙しい先生には、多くの銘柄の詰め合わせパックである、ETFの方が簡単で無難であると思います。ETFであれば、銘柄も自動的に入れ替えてくれるので、手入れが全く不要です。単純に積み立てていくだけです。配当金も自動で振り込まれます。配当金は使っても良いですし、特に用途がなければ再投資をしてもOKです。
ETFは運用をしてもらうため、その分手数料がかかりますが、VYMの場合は年に0.06%と破格の安さです。手間を考えれば、コストパフォーマンスは明らかに高いです。
まとめ
話を単純化すると、今回の要点は下記のようにまとめられます。
・純粋に資産拡大を目指す場合
→eMAXIS Slim 全世界株式、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)などのインデックスファンドをつみたて続ける。
・配当金も欲しい場合
→VYMなどの高配当ETFを積み立て続ける。
※上記はどちらか一方ではなく、併存することも可能!
投資にお詳しい先生は、インデックスファンドにもETFを使うことや、高配当ETFの場合は投資タイミングを図るべきだなど、突っ込みどころがあることは承知しています。しかし上記の簡単な方法でも100点とはいかなくても、80点くらいは取れるのではないかと考えています。
注意点
投資信託、ETFの購入はネット証券口座を使用する
上記のものを購入する場合は、必ずネット証券を使って下さい。銀行窓口に行くと同じ投資先の商品でも手数料が高いものを売りつけられる可能性が高いです。ネット証券はSBI証券がオススメです。執筆時点では、関連の住信SBIネット銀行の使いやすさも考慮すると、SBI証券が第一選択であると考えます。当然、私もこちらを利用させて頂いています。
下落しても狼狽売りはしない
投資をはじめると、株価や円の上昇、下落が気になるものですが、下落したタイミングで焦って狼狽売りしてしまうと、結果的に損をする可能性が高いです。一度買った投資信託、ETFは価格を気にしないで放っておくほうが、資産形成のコツです。投資業界で良く言われることですが、投資成績は亡くなった方が一番良かったというデータがあるそうです。これは放っておく方が、色々考えて売り買いするよりも結果的にパフォーマンスが良かったことを言いたいのでしょう。