子育て時間確保その2 全日勤務の場合

シリーズいま転職するならどうするか?

今回のシリーズでは、もしも管理人が今からある状況、条件で転職をするなら、どのような戦略を立てて、どのような就職先を選ぶか?についてケース別に検討してきます。先生方の状況や条件に、ピッタリは当てはまらないかもしれませんが、近い状況のものであれば、一つの参考にしていただけるかと思います。転職戦略の一例として参考にして頂ければ幸いです。

今回は「子育て時間確保その2 全日勤務の場合」というテーマで検討していきます。

戦略

訪問診療、外来、健診の非常勤を組み合わせる

以前の午前勤務だけの、子育て時間確保戦略の場合、どうしても応募できる求人が限られてしまいますが、家族の協力などが得られる場合で、全日勤務も可能な場合は、だいぶ幅が広がります。具体的には9:00-18:00の間で勤務できる求人を中心に、訪問診療、外来、健診の業務を組み合わせていきます。

訪問診療は時間どおりに終わらない可能性も。。

訪問診療のお仕事は保険診療の中でも割がよく、非常勤の求人も比較的多くあるので、今回の戦略でも重要な要素の一つですが、注意点もあります。それは就業時間がずれ込む可能性が、他のお仕事に比べるとやや高い点です。残業が発生することもありますが、意外に多いのが、道路の混雑で、訪問スケジュールが予定通りに行かず、時間がずれ込んでしまうことです。特に雪や台風など、突発的な天候にも左右されます。もしお子さんを保育園などに預けている場合、訪問診療を入れる日は、延長となってしまっても問題ない預け先を探しておく必要があります。

収入の想定

一日の外来、健診の単価としては、だいたい日給8万円ほどです。訪問診療の一日の単価は10万円前後です。
日給の平均が9万円で週5日、月の勤務日数が平均20日と仮定すると、月収180万円、年収2160万円となり、収入としては十分確保できると思います。
もちろん週5日である必要なく、週4日以下であってもこちらの戦略は有効です。週4日、月の勤務日数が平均16日と仮定すると、月収144万円、年収1728万円となります。時間の確保と収入のバランス、税金を考慮すると、コスト・パフォーマンスも良いと思います。

今回のモデルケース
月曜日 外来勤務(A病院)9:00-18:00
火曜日 健診業務(B健診センター)8:30-17:30
水曜日 訪問診療勤務(C在宅クリニック)9:00-18:00
木曜日 訪問診療勤務(C在宅クリニック)9:00-18:00
金曜日 訪問診療勤務(C在宅クリニック)9:00-18:00(またはお休み)
土曜日 お休み
日曜日 お休み

上記であれば、土日もフリーで、週4以下なら平日も休みを確保できるので、仕事と家庭のバランスが取れていると思います。

非常勤はフレキシブルに働きやすい

非常勤のメリットは、お子さんの状況に合わせて、仕事を調整しやすいことです。仕事お子さんの手がかかるうちは、仕事を減らして、週1-2日に抑えることも可能ですし、保育園に入れるなど、手が空く時間が増えるに連れて、週3-5日に増やしていくことも可能です。常勤だと、なかなかこのように行かないことが多いですが、今回の戦略では調整がしやすいのが魅力の一つです。

非常勤ならではの不安定さもある

一方で非常勤ならではの不安定な部分ももちろんあります。勤務を調整しやすいということは、その反面、雇い主の都合で、こちらも雇い止めにあう可能性もあるということです。先生に全く非がないようなケースで、例えば経営状態が良くないなどの理由で仕事を失う可能性もあります。常勤よりも非常勤の医師の方が、そのようなリスクは高いです。
そのためにも、非常勤を掛け持つ場合は、いくつかの独立した勤務先を複数確保して置くことが重要です。たとえA病院の職を失ったとしても、Bクリニック、C病院での仕事があれば、収入がゼロになることはありません。もちろん収入は一時的に減ってはしまいますが、精神的には収入がまったくないのと、少しでも確保している状況ではまったく異なります。もし一つがだめになっても、働きながら次の勤務先を探せばいいだけです。
働きながら探す場合は、現在勤務している実績もあるので、比較的容易に次の勤務先が見つかると思います。

パートナーは常勤を維持するという選択肢も

非常勤の戦略をとる場合、もう一方のパートナーは安定した常勤を維持するという方法もあります。収入源が複数あり、なおかつ一方が常勤であれば、安定性は抜群です。

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