
シリーズ いま転職するならどうするか?
今回のシリーズでは、もしも管理人が今からある状況、条件で転職をするなら、どのような戦略を立てて、どのような就職先を選ぶか?についてケース別に検討してきます。先生方の状況や条件に、ピッタリは当てはまらないかもしれませんが、近い状況のものであれば、一つの参考にしていただけるかと思います。転職戦略の一例として参考にして頂ければ幸いです。
今回は「QOL最優先(保険診療編)」というテーマで検討していきます。
給与や将来性など他の要素は重要視しないで、いまこの時点のQOLを最大化することを考えていきます。QOL最優先ではないけれど、という先生にも参考になる内容も盛り込んでいます。少しでも先生方の参考になれば幸いです。
状況、条件の設定
・QOLを最優先!
・極力面倒なことはしたくない。
・将来のことは今は考えない。
・今はとにかく休みたい。。。
・週5日は正直きついので、週3日を希望。
・自由診療には抵抗がある
・一般的な臨床能力は問題ない
戦略
・訪問診療の非常勤を週3日!
今回は現時点でのQOLを最優先で考えたいと思います。転職を検討中の先生の中には、激務に疲れ果てて、とにかく今はしばらく休みたいという先生もおられると思います。そのような先生は、本格的な転職を行う前に、ゆったり目のお仕事にダウンシフトして、今後のことをゆっくり考えるのもありだと思います。仕事はダウンシフトしたいけど、自由診療にはどうも抵抗があるという先生に向けた内容となっています。具体的には訪問診療のお仕事を週3日行い、他の日は休む戦略をとります。
今回のモデルケース
月曜日 お休み
火曜日 訪問診療(A在宅クリニック)9:00-18:00
水曜日 お休み
木曜日 訪問診療(A在宅クリニック)9:00-18:00
金曜日 訪問診療(B訪問診療クリニック)8:30-17:30
土曜日 お休み
日曜日 お休み
上記のように週3は全日勤務を想定します。もちろん先生の状況に応じて調整していただいて大丈夫です。このモデルケースでは、水曜の定休の他に、毎週土日月の3連休をつくれるので、十分休養がとれます。
収入としては、一日10万円の日給を想定します。訪問診療では、給与単価が高い求人を選べば、日給10万円は現実的な給与です。安易に低い給与の求人には妥協しないほうがよいです。月の平均勤務日数が12日と仮定すると、月収120万円になります。年収としては、概算で1440万円です。週3日の勤務としてはかなり良く、QOLや税金の差し引き後の手取りなども総合的に考慮すると、一般的な医師転職としても最適解の一つと考えられます。かなりおすすめです。
訪問診療に求められる臨床能力
訪問診療に向く先生は、専門的な能力よりも、幅広く、総合的に診療ができる先生が向いています。このように書くと敷居が高く感じてしまうかもしれませんが、一般的な臨床能力を持っていれば、対応できる先生がほとんどだと思います。一般内科、総合診療科の先生が一番得意かもしれませんが、実際は多くの診療科の先生が訪問診療を行っています。未経験の先生にはどうしても敷居が高く感じてしまいがちですが、実際行ってみると対応できる先生が多いと思います。
そもそも専門的な検査や治療が必要な場合は在宅では対応できず、高次医療機関にお願いする必要があり、できる検査や治療には限りがあります。必要な際に連携をとり、平時は一般的な投薬や全身管理ができれば対応可能です。
私もそうでしたが、3年目の内科系の専攻医が訪問診療を担当していることもあるくらいなので、他科でもある程度の臨床経験がある先生はまず問題ないでしょう。それでも訪問診療が未経験で不安がおありの先生には、最初はレクチャーをしてくれる、未経験歓迎の求人もあります。このような求人を選べば安心です。
この戦略は発展性がある
今回はQOLを最優先で書いていますが、この戦略は本格的に復帰したいと後々に思うようになってからも、対策がとりやすい戦略になります。週3日で訪問診療を行っておけば、もう少し仕事を増やしたいと思えば、非常勤の勤務を増やして、週4、週5日に移行することもスムーズに可能ですし、もし常勤で探したい場合も、転職は比較的容易にできます。これは前回の自由診療にはない大きなメリットです。
また在宅診療は、当面なくなることはありません。幅広い臨床能力を身に着けておくと、必ず後々も役に立ちます。訪問診療に限らず、療養病棟の管理や老健などの施設でも働くことができます。
訪問診療の非常勤の日給について
上記でも触れましたが、訪問診療の非常勤では、一日通し勤務の場合は、日給10万円も十分狙えます。一般的な単価としては8万円から、高くて12万円ほどで設定しているところが多いです。給与が低めだからといって、仕事が少ないとは、実は限りません。この戦略ではどうしても週に働く日数が低めになってしまうので、できるだけ日給が10万円以上の求人を選択しましょう。
仕事の探し方
非常勤の訪問診療は求人は結構あります。単価が高く、先生の交通の便がよいところを探すには少し時間が必要になるかもしれませんが。。もしいきなり週3日で調整できなければ、週1回からでも、とりあえず仕事を開始してみて、働きながら就職活動を続けることも可能です。
非常勤を探す場合は、複数の医師求人会社に登録して、先生の希望の地域のメルマガを登録しておくのがよいです。好条件の求人はわりと早く埋まってしまうこともあります。もし面倒でなければ、求人エージェントと一度面談して、希望の求人がでたら、教えてもらうように頼んでおくと、メルマガで求人を募集する前に優先的に教えてもらえる可能性もあります。
また求人のメールマガジンは転職後も登録を続けておくと、転職の動向がわかるので結構おすすめです。私も今は転職予定はないのですが、複数社のメールマガジンに登録して、転職市場は常にチェックしています。当サイトおすすめの求人会社もぜひ参考にしてください。