転職事例検討 その1

転職の実際の求人をみて、検討をして行きたいと思います。

求人は先生の希望する地域、条件などで、ご自身で検索して絞ってみていくこともできますし、条件を登録してメールマガジンを購読しておくと、毎日のように先生の希望に近い求人の情報を送ってくれます。
以下は実際にメールマガジンで紹介があった求人です。一部詳細をぼかしていますがご覧いただければ幸いです。

求人例1

本日は訪問診療クリニックより
【日給 120,000円】の訪問診療求人が出ております。
<概要>
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JR東海道線・〇〇駅から車で約20分
***定期非常勤医師の募集***
・日給12万円★看護師同行ありの訪問診療◇9~18時/曜日選択可
・診療には看護師の同行があるので安心して勤務いただけます
・一般的な内科診療が可能であれば科目問わずご応募可能です。
・大手訪問診療グループ法人です。
・医師が医業に専念できる仕組みが構築されています。

【勤務条件】
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◇ 募集科目 : 一般内科、訪問診療
※一般的な内科診療が出来れば専門を問いません
◇ 勤務日 : 月、火、水、木、金 (週1日)
◇ 勤務頻度 : 毎週
◇ 勤務時間 : 9:00~18:00 (休憩60分)
◇ 手当 : 日給 120,000円
◇ 交通費 : 別途支給 (実費支給)

【業務詳細】
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◇ お仕事内容 : 訪問診療 
<1日のスケジュール>
・午前 1~2件 施設、もしくは居宅1~2件、
・12~13時 昼休憩
・午後 1~2件施設、もしくは居宅1~5件程
◇ 訪問先 : 施設6割:居宅4割
◇ 訪問診療時の同行者 : 看護師
◇ 勤務時期 : 随時
◇ 祝日勤務 : 無
※年末年始、夏季休業はお休み

求人の解説

これは実際の求人ですが先生の印象はいかがでしょうか?訪問診療の一日あたりの相場はおよそ10万円前後です。こちらの求人は日給12万円なので、相場よりかなり条件が良い求人になります。勤務地がやや不便であることが、給与が通常よりも良い理由であるかと思います。

また訪問診療に同行する職員も看護師であり、記述から医師へのバックアップ体制も期待できます。こちらは労働環境も含めて良い求人であることが、求人票から推測できます。実は訪問診療の求人では、医療者が同行しないケースは多く、同行はドライバー兼、事務さんで、先生一人で採血やらバイタル計測も行わなければならないケースも多いです。
(※かなり珍しいですが、車の運転も含め、すべて先生一人で行わなければならないようなケースもありました。この場合は、先生一人で運転して患者さんの家に行き、診療した上で、事務的なことまでも行う必要があります。求人は細かいところまでチェックが必須です。)

同じような拘束時間、地域、仕事内容でも、ある求人は日給8万円で、別の求人は日給10万円である、ことは全く珍しいことではありません。仕事の忙しさやスキルが給与に影響することもありますが、実はあまり関係ないことも多いです。普通に考えると給与が高いと忙しく、低いとゆったり目なのかと思いますが、実際はそうでもないので、初めて転職をする先生は注意が必要です。給与が相場より低めなのでゆったり勤務かと思いきや、すごく忙しいというケースもありますので。。

同じ時間を使って、同じ内容の仕事をするのであれば、給与は高い方が良いでしょう。日給1万円違うと、週一勤務の場合でも年間50万円近くの差がでます。例えば週4日勤務で、日給が8万円と9万円のところを比べると、年収200万円ほどの給与の差が出ます。まるまる1ヶ月分の差がでてしまい、極論すれば、1ヶ月はタダ働きをしているようなものです。このことから、求人選びは非常に重要なこととご理解いただけると思います。

優良求人にめぐりあうコツ

どのようにすれば、先生の希望条件にマッチして、なおかつ給与が高い求人を見つけられるか?ということが気になるかと思います。いくつか優良求人にめぐりあうコツを挙げてみます。

時間をかける。

身も蓋もないと思われるかもしれませんが、求人は水物なので、先生の転職時期に、ピッタリ優良求人にめぐりあえるとは限りません。確率論ですが時間をかけるほど優良な求人に出会える可能性は高まります。逆に時間が限られた転職ですと、優良求人や掘り出しの求人に出会える可能性がどうしても低くなります。転職成功のコツは早めに転職活動に着手して、時間的に余裕をもち多くの求人情報に触れることです。

精神的に余裕をもつ

これは時間に余裕をもつことと重複しますが、何らかの事情で、「〇月までに転職ができないといけない!」というような、切羽詰まった状況ですと、冷静な思考や判断が難しくなります。当然条件の良い転職は難しくなってしまいます。ひどい場合は転職そのものが目的となってしまい、もう条件などどうでもいいから、とにかく転職先を決めて落ち着きたい!という状況になることもあります。(これは本当によくあるパターンです。)切羽詰まって条件をろくに検討せずに転職をしてしまい、冷静なったところで、後悔することになり得ます。できれば、現在の職場での仕事は確保した上で、たとえいい職場が見つからなくても、焦って転職する必要がない状況で転職活動をすることが理想です。(転職が必要な状況では、なかなかそうも言っていられないパターンも多いですが。。)

妥協で転職して後でやり直すのは、先生の気力も、体力も消耗します。短期間での転職は履歴書の見栄えもよくありません。もし希望の職場が見つからなければ、非常勤やスポット勤務で数ヶ月食いつないで、その間に探すのもよいと思います。(特に常勤転職は体力と気力をつかいますので、、。)

メールマガジンを購読 複数社で

医師求人会社のメールマガジンは転職サーチには非常に強力なツールになります。メールマガジンに登録すると、先生の希望に近い最新の情報を毎日送ってくれます。求人会社のサイトで条件を入れて検索することと同じですが、忙しい先生方が毎日のように複数社のサイトを検索して新着求人をチェックすることは現実的ではありません。メールマガジンは時短のツールとしても優秀です。また直接先生が応募する求人でなくても、周辺の動向や給与の相場、条件などを見ておくことだけでも勉強になります。またメールマガジンの配信条件は先生の状況に応じて定期的に見直しましょう。古い条件のままだとそのままの条件で情報が送られてきてしまうので効果が半減してしまいます。

もし頻繁なメールがうっとおしければ、あらかじめメールマガジン用のフォルダを作っておき、自動的にそちらのフォルダに振り分けるような設定もできます。それなら空き時間やまとまった時間にあとで一気にチェックすることも容易に可能です。(Gmailなら設定すれば簡単にできます。)

メールマガジンでの情報収集のコツは、複数社で定期購読することです。1社だとどうしても求人情報や会社の得意分野で、情報に偏りが生じます。(特に美容、自由診療は会社による得手不得手があります。)大手の求人会社であれば、メールマガジンは必ず取り扱っていますので、大手で複数社を登録することがオススメです。私も4-5社のメールマガジンを状況に応じて調整して、常に最新の情報や、掘り出し求人をチェックしています。私は現在は転職予定はないのですが、必要になればすぐに対応できるように、こまめに転職情報を行い、動向をチェックしています。

転職エージェントに声をかけておく

ある程度具体的に方向性が見えている先生にオススメなのが、転職エージェントに、先生の希望を伝えておき、希望に近い求人がでたらすぐに教えてもらうように頼んでおく方法があります。たとえば、「〇〇駅から20分圏内で、訪問診療で日給10万円以上の求人がでたら、すぐに連絡が欲しい」「山手線沿線で水曜日の医療脱毛クリニックの定期非常勤が出たら教えて欲しい」など、具体的な希望が定まっている場合はかなり有効です。場合によっては求人がサイトで公になる前に教えて貰えます。ただこの手法を使う場合は、「高額求人がでたら教えて欲しい」「○○駅から近い内科の求人がでたら教えて欲しい」など具体性が低い場合は、該当する求人が多すぎるため、転職エージェントもどの情報を伝えるか迷ってしまい、有効とは言えません。

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