医師転職 面接対策

医師求人サイトで先生にとって良さそうな求人がみつかり、条件等も納得できる場合、次は面接に進みます。ここでは面接の流れを確認し、準備しておく事柄や、ポイントをお伝えします。

面接のながれ

面接の日は直接先生が医療機関へ向かう前に、求人会社のエージェントと合流をします。事前に軽く打合わせをして、一緒に面接先の医療機関へ向かいます。面接は一人で行くことはなく、エージェントが同行してくれます。遅刻は印象が悪くなってしまうので、早めに着くように時間を設定していることが多いです。

医療機関に着いて、会議室などで面接を行います。直属の上司になる先生や、人事部の責任者、場合によっては院長先生も同席し面接が始まります。だいたい先方は4-5人ほどです。こちらは先生と、エージェントが面接の際も同席します。

一般的な就職では、ドアをノックする作法から始まりますが、先生の場合はそのような形式的なものは省略し、面接の部屋に案内されることが多いです。そこは流れに従いましょう。入室したら挨拶と本日の面接のお礼を述べて、促されてから着席します。

面接の進行は先方とエージェントが回してくれますので、進行にそって質問にお答えいただければ良いです。多くは履歴書の軽く見ながら、先生が今までやってきたこと、これからどのような医療を行いたいか、ご家族の状況など一般的なことを質問されます。質問には率直に答えれば大丈夫です。こちらが質問したいことも遠慮なく率直に質問しましょう。

面接の時間はだいたい30分ほどです。一応面接という形式ですが、医療機関によっては就職の相談に近いものも多く、和やかな雰囲気の場合も少なくないです。圧迫面接のようなことは稀なので緊張せずに臨んでいただけたらと思います。

最後に挨拶と改めてお礼を述べて面接を終わります。結果は後日エージェントを通じて教えて貰えます。

面接時の注意点

注意点としては社会人としてのルールを最低限守ることです。一番注意が必要なのは遅刻です。新幹線が止まったなど、どうしようもない場合は別ですが、遅刻がもっとも印象を悪くしてしまいます。電車が少し遅れても間に合うように早めに到着できるようにしましょう。

服装についてはスーツであれば問題ありません。意外に注意が必要なのが、靴です。革靴を普段はく機会が少ない先生もいらっしゃると思いますので、靴の汚れがないかをチェックしましょう。

また無いとは思いますが、面接中は足を組まないように注意してください。とある求人会社のエージェントから聞いた話ですが、先方から促されて足を組んでしまった先生がおり、うまく行かなかったケースがあったそうです。たとえ向こうから促されても、足は組まないようにしましょう。

質問の内容

質問内容については、主に今までの臨床経験やスキルが聞かれることが多いです。経験してきた手技やスキル、病棟を担当する場合は何人くらい担当をもっていたかなどです。質問には率直に答えていただき、できないことや自信がないことははっきり言っていただいて大丈夫です。むしろここで虚勢をはってしまうと、転職が失敗する率が高くなります。先方にとっても、先生にとってもミスマッチな転職になってしまい、誰も得をしません。

前職の退職理由などやや答えにくい質問もあることは事実です。たとえば家族の転勤など誰がみてもやむを得ないものであれば問題ありませんが、人間関係やハードワークなどで退職した場合は少し工夫が必要です。方法としては包み隠さず率直に答えてしまう方法と、少しオブラートに包んで話す方法があります。個別のケースにもよるので、一概に言うのは難しいですが、基本的には率直に伝えてしまったほうがストレスが少ないように思います。

何件か面接をやっていると質問内容は似通ってきますので、すぐに慣れると思います。初めて面接をする場合はエージェントからのレクチャーもありますし、質問内容はある程度予想できるので、答えを事前にワードなどでまとめておくと自信をもって臨めます。しかし多くの先生にはそこまでは不要と思います。

心構え

医療機関との面接は先方が先生を判断して選ぶような側面が強いように見えますが、実は先生も医療機関を選ぶ立場にあることを決して忘れないでください。医療機関はたくさんあります。いざとなれば就職に困らないのは先生の方なのです。

面接で内定をもらった場合、医師求人会社は就職を勧めてきます。しかし内定の時点では辞退することも可能です。転職活動中は複数の医療機関を併行して受けることが普通なので同時に複数の内定をもらう場合もあり、辞退することは一般的なことです。少々希望に合わない点があっても、せっかく内定出してくれたからと義理を重んじて就職してしまうと失敗する可能性が高くなります。迷う場合は一度お断りするのも一つの方法です。もし本当に先生の就職を臨んでいるのなら、一度お断りしても、先生の気が変わればいつでもウェルカムのはずです。一度辞退したから、もう無理ということはありません。

用意しておくこと

面接前に給与や労働条件は、エージェントが詰めてくれていますが、改めて直接医療機関に質問したい内容や、確認しておきたいことがあれば、メモをして持参しましょう。面接中にメモをみたり、メモをとることは全く問題ありません。聞き逃しがないように対策をしましょう。

また医療機関の最低限の情報に目を通すことも大切です。エージェントが資料を事前に送ってくれますが、医療機関のホームページもざっとでよいので目を通しておくようにしましょう。

医療機関側の心理

医療機関側の心理としては、良い先生に長く勤めてほしいということです。この場合良い先生とは医療機関にとって都合が良いということになります。その医療機関が求める臨床スキルを満たし、遅刻せず、コミュニケーションが取れる先生を求めているケースが多いです。

長く勤めて欲しい理由は医師採用には多くのコストや手間がかかることです。求人会社に支払う手数料は先生の年収の20%ほどと、かなり高額になります。また面接をすることも意外に手間がかかります。医師の転職は比較的多いので、せっかく採用した先生も数年で退職することも少なくありません。医師採用は医療機関にとって悩みが尽きないことのひとつなのです。

医師求人会社の心理

医師求人会社の心理としては、自分の会社を経由して転職を斡旋したいわけです。求人会社も先生が他社の求人会社を利用していることは十分承知しています。通常2-3件の会社を利用することが一般的だからです。なのでなんとか他社に取られたくないという心理があります。先生一件の成約で数百万円の大きなお金が動くからです。

そのため求人会社にとって一番の失敗は先生が他社を使って転職するか、または転職をやめてしまうことです。当然それらのケースでは1円にもならないためです。なので求人会社はどうにかして先生の転職を斡旋したいと躍起になっています。

先生が迷うときに思い出して頂きたいことはこの求人会社の利益構造です。転職では、思うような転職先がなかなか見つからない時期や、条件交渉が思うようにいかないこともあります。そのようなときはメンタルも参ってくると思います。転職活動は孤独な作業です。そんなときに身近に話を聞いてくれるのは求人会社のエージェントです。そのためエージェントの言うことに流されてしまいそうになっても無理は無いと思います。

求人会社としては、先生にとってベストな転職よりも、ベターなところでもいいので転職して欲しいのが本音でしょう。それはそのような商売なので何も非難されることではないのでしょうが、先生にとってベストを考えられるのは、先生だけだということはぜひ忘れないでいただけたらと思います。

まとめ

医師転職の面接の流れは上の通りです。事前の準備を整えて面接に臨んで頂き、質問には率直にお答え頂ければよいです。内定後も焦らず、先生にとって本当によい転職か一度改めて考えて頂ければと思います。先生が転職に成功されることを応援しています。