転職は何年おきならよいか?

医局の人事異動では数年おきに病院が替わるのは普通です。毎年勤務先が替わる大変な先生も多いです。そう考えると医師は他の職業に比べて広い意味での転職がかなり多い職種です。一般的に転職回数が多いと転職の際に不利になることもありますが、医師の場合はどうでしょうか?

理由があれば問題なし。

当然ですが、医局に所属している間に医局の派遣で毎年勤務先が替わったとしても、それについては全く問題ありません。誰にでも明らかな正当な理由であるからです。医局を辞めたあとも、それ以前の経歴について、転職の際に問題になることはないので大丈夫です。

頻回の転職歴があると、不利になる可能性がある

特に医局関連でなく、先生ご自身が頻回に転職をしている場合はどうでしょうか?この場合は、あまりに短いスパンで転職を繰り返している場合は、やはり不利になる場合があります。医療機関としては、採用してもすぐ辞めてしまうのでは?という心理が働くためです。

採用する側としては、新たに医師一人を雇うためには、多くのお金と労力がかかります。なるべく長く勤めてくれる先生が欲しいというのが本音です。

転職は何年おきならよいか?

それなら転職は何年おきくらいなら不利にならないのでしょうか?これについては個々の判断になるので、なんとも言えないところがあります。私がかつて所属していた病院では、期限がある契約の場合、5年間の契約でした。個人的な意見ですが、5年間勤めていれば、ある程度の期間は勤めたことになるので、その後は転職しても特に不利になることや、履歴書の見栄えがわるくなるようなことも無いように思います。

直近の短いスパンでの退職は?

たとえば今まではある程度長いスパンで勤めていた先生が、転職して、運悪く転職先で上手く行かなかったとします。その場合、すぐ退職して新たに転職先を探しても良いものなのでしょうか?

たとえば、転職先に契約違反など、転職先に明らかな問題がある場合は、事情をしっかり説明すれば、大きく不利になることはないと思われます。しかし再転職する際は、今度は転職先の状況をしっかりと確認する必要があります。さすがに短いスパンでの転職が続くと、履歴書の見栄えが悪くなってしまい、再転職に不利になります。たとえ先生に否がないことであっても、損をしてしまうのは先生です。そう考えると、転職前には転職先の状況を慎重に見極める必要があります。転職前であれば内定が出ていても辞退できるので、慎重な見極めが大切です。

条件にこだわらなければ、就職できないということはない。

先生の中には、たまたま良い医療機関に巡り会えず、やむを得ず転職を短期間にしてしまった先生や、ご病気などの事情で履歴書に空白期間ができてしまった先生もいらっしゃると思います。現状では、勤務先を選ばなければ、医師が全く就職できないということはありません。もちろん良い条件を選ぶことが難しい場合もありますが、最初は完全にマッチする求人でなくても、職歴を積み上げていくことで、選べる立場に戻ることは十分可能です。

少し話がズレますが、一度現場から離れた先生が、完全に医師の仕事を辞めてしまうのはとてももったいないことです。もし仕事に戻りたいお気持ちがあれば、かならず仕事はあります。スキルに不安があったとしても、医師免許があるだけで成立するような仕事もあります。どのような形であれ先生が仕事に復帰されることは社会貢献になります。臨床からしばらく離れ、もし諦めてしまっている先生がいらっしゃいましたら、是非一度転職活動をしてみてください。転職活動辞退はノーリスクです。やってみて嫌ならやめればいいだけです。やってみて上手く行けば儲けものです。先生には一切リスクがないので、試してみる価値が十分にあります。

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