
先生がこのページをご覧ということは、転職をお考えの先生であると思います。先生が転職をお考えになったきっかけは何でしょうか?医師転職の動機は人それぞれです。仕事を減らして家庭を優先させたい、収入をアップしたい、転科したい、開業準備をしたいなど、様々な理由で転職をされます。私の最初の転職のきっかけはオンコールをなしにしたいということでした。オンコールなしの勤務は人気です。今回はオンコールについての記事です。
管理人のケース
管理人が最初に転職をしたのは初期研修の時です。転職というより研修中断し、他の病院に変わったというケースですが、きっかけは毎日のオンコールが辛すぎたせいでした。研修開始から数ヶ月でほとんど何もわからない状態でしたが、休日、夜間かまわずガンガン電話がかかってきました。ファーストコールは全て研修医の病院でした。わからない場合上級医に電話をかけますが、対応してもらえないこともあります。かなり重症な患者さんも多く入院していましたので、今考えると医療安全的にもかなり問題がありました。大学を卒業してすぐの医者が背負い込むには非常に過酷な環境でした。
これはもう無理だと考え、休職を挟んで転職をしました。もちろんオンコールがなしの病院へです。その病院は自分が当直のときは担当以外の全ての患者さんを診る必要がありましたが、オンコールがなかったので、オンオフの切り替えがはっきりしており、無事にその病院で初期研修を終えました。
オンコール体制について
先生の中にはオンコールなし勤務を希望される先生もいらっしゃると思いますので、ここで私がみてきた病院のオンコール体制について考えてみます。
オンコール体制は大きく分けて下記に分類されます。
1.全て主治医コール(一番過酷)
2.グループ制でオンコール当番を順番に担当
3.基本的に当直が対応し、必要な時だけオンコール
4.全て当直対応。
1.全て主治医コール
これは本当に過酷です。事実上24時間、365日休みがありません。休日でも夜間でもかまわず電話がかかってきて、何かあれば対応しなければなりません。長期休暇もとれず、この体制を継続できるのは一部の先生でしょう。また待機していても給与は発生しないことは普通です。医師という特殊な仕事のため黙認されていますが、厳密に言えば法令違反と思われます。
2.グループ制でオンコール当番を順番に担当
グループ制でオンコール当番を決めているところもあります。当番でないときはしっかり休むことができます。しかしグループ制でも人数が少ないところでは、数日に1回、月に10日くらいは当番をしなければならない場合もあります。やはり過酷です。
3.基本的に当直が対応し、必要な時だけオンコール
基本当直対応で、難しいときのみオンコール対応するケースです。細かい対応で電話がかかってくることはないので、電話の頻度は減りますが、それでもいつオンコールがかかってくるかわからない不安はあります。この体制をとっている病院はいくつか見ましたが、当直対応の守備範囲に医師個人の考えがあるので、なかなか難しい面もありました。◯◯先生が当直のときはあまり対応してもらえないので、結局気が抜けない、、などです。
4.全て当直対応
基本的に全て当直が対応するパターンです。自分が当直するときは、全ての入院患者さんを対応しなければならないので大変ですが、当直の日以外は開放されます。オンコールはなしで最も働きやすい形態です。オンオフをはっきりさせたい先生に人気の形態です。私はこの形態でした。
オンコールなし勤務を希望の場合は、探す段階ではっきり伝えたほうがいい。
入院施設や訪問診療の場合、オンコールなし条件の勤務でなければ、基本的にオンコールはあるものとお考え頂いたほうが良いです。そのためオンコール無しを希望の先生は、最初からオンコールなしの条件で絞って探した方が効率的です。転職エージェントに相談する際も最初にはっきりお伝えしたほうがミスマッチの可能性が減ります。せっかくよい転職先が見つかったと思ったら、オンコールありだった、、となると時間がもったいないからです。
オンコールなし条件でも注意が必要!
実はオンコールなしの条件にも関わらず、転職してみたら実はオンコールありだったというような職場もあります。これは嘘のように聞こえますが実際にあった話です。雇用契約書にもオンコールなし条件を明記して、契約したにもかかわらずオンコール対応があったという話です(明らかに契約違反)。入院の担当患者さんをもつ場合は、たしかに担当医でないと対応ができないケースもあります。それはある程度止むを得ない状況もあるとは思いますが、重要でないことも含めて、電話がかかってくるとなると話は違います。その先生はこれはだめだと思って、早々に再転職をすることになりました。非常に時間も労力も、精神力も消耗したと聞きます。
このことから、オンコールなしは本当に正しいか、入職前によくチェックした方がよいです。できればすでに働いている医師に直接話す機会を設けてもらいましょう。働いている医師へのインタビューは色々な面でオススメです。
また外来のみなど、構造的にオンコールが起こりようがない職場を選ぶというのも一つの選択肢です。どうしてもオンコールが嫌だという先生には、この方法が一番安心かもしれません。