転職とメンタル

休職中の先生へ

※この記事は、2023年に別のサイト「医療脱毛クリニックバイト.com」で書いたものを、このサイトに移しました。

今回は、いつもとは少し趣の異なる話題です。忙しい臨床を日々こなされている先生にはあまりなじみがないかもしれませんが、医師の休職についての話です。そして、今休職されている先生に向けた記事です。

15年近く走り続けるキャリア

ご存じのように、医師になるには、受験を勝ち抜き、医学部6年間のハードなカリキュラムをこなし、難しい試験やレポートを乗り越え、最後に医師国家試験に合格する必要があります。卒業後もすぐに初期研修が2年間あり、その後休む間もなく後期研修が始まって、専門医取得まで3〜5年ほど研修を続けます。個人差はありますが、受験勉強2年、医学部6年、初期研修2年、後期研修4年と見積もっても、15年近く休みなく走り続けることになります。こなせてしまう人も少なくないので、これが平均的なキャリアと考えられていますが、普通にきついですよね。途中で立ち止まってしまう先生がいらっしゃるのも、無理はないと思います。

先生方の周りでも、受験時代や医学部時代に、途中で離れていく人を見てこられたと思います。では、医師免許を取ったあとはどうでしょうか。医師免許取得後の王道のキャリアは語られますが、そこから外れてしまった医師のその後は、あまり知られていません。

私は、医師免許を取ったあとに道からそれてしまう医師を、何人も見てきました。初期研修のハードさについていけず退職した先生。後期研修で初期研修とのギャップに耐えかねて辞めた先生。体力的な事情や、うつ病などの心の病気で、仕事を続けられなくなった医師にも、何人も出会いました。

私も休職していました

かく言う私自身も、激務に耐えかねて、一時休職していた時期がありました。休職中は本当に先が真っ暗で、今まで曲がりなりにも本流を歩いてきたつもりが、一度横道にそれたせいで、何もかもダメになったような気分でした。医師の仕事を続けていく自信もまったくなくなり、これからどうやって社会で生きていけるのだろうかと、絶望しきっていました。

それから何年もたち、今は普通に臨床に戻っています。仕事も問題なく続けられています。一度は立ち止まりましたが、その後、縁あって良い研修先にめぐりあい、体調も回復させながら、何とか臨床に復帰しました。

まずは休むこと

今、激務や、体や心の病気、家庭の事情など、何らかの理由で休職されている先生へ。今は本当につらい時期だと思います。私も同じ経験をしました。先生の状況はわかりませんが、つらい気持ちはわかるつもりです。

つらい時期は、先のことは考えずに休みましょう。治療が必要な場合は、特に精神科の受診をためらわないでください。医師ほど医者にかかるのに抵抗があるものですが、どんなに先生が優秀でも、今はほかの医師の力も借りましょう。急性期はとにかく休むことです。時期は気にせず、回復するまで、主治医と相談しながら十分に休養をとってください。

医師は、働くことさえできれば、食べていくのに困らない仕事です。体調が回復すれば、いくらでもやり直せます。そもそも医師免許を取れた先生方です。必ず大丈夫です。それにはまず、焦らないことです。十分に休んで、少し社会に戻ってみたくなったら、少しずつ、ご自分のペースで働いてみましょう。もちろん、主治医の許可は必要です。いきなり元の現場にフルタイムで戻るのは、慎重にしてください。

研修の途中だった先生へ

もし先生が初期研修の途中なら、中途採用をしている病院は意外と多くあります。中途採用の窓口を設けている病院もあります。最初に就職した病院で研修を続けなければならない理由はありません。それまでの研修期間は、ほかの病院に移ってもきちんと引き継げます。最初の病院にこだわらず、先生に合う研修先を探しましょう。

自分で探すのが難しいときは、求人会社を頼りましょう。あまり知られていませんが、後期研修はもちろん、初期研修の病院探しを手伝ってくれる求人会社もあります。率直に相談して、人の力を借りましょう。数件聞いてうまくいかなくても、あきらめずに探せば必ず見つかります。場所にこだわらなければ、病院は日本中にあります。

後期研修は、それほど大きくない民間病院でもできるところが多いので、こちらも求人会社の力を借りられます。専門医にこだわらなければ、さらに柔軟な相談ができます。フルタイムではなく、週4日などの条件で研修させてくれる病院もあります。何より大切なのは、先生が元気に働けることです。ご自身の考えとあわせて、どうかご自身を大切にする選択をしてください。

少しずつ働く感覚を取り戻す

初期研修を終えている先生なら、まずは手始めに、スポット勤務で得意なところから始めるのもよいでしょう。健診の半日アルバイトでもよいと思います。無理をせず、1回やってみる程度で試してみましょう。少しでも働く感覚が戻ってくると、転職活動にも弾みがついて、きっとうまく進みます。医療脱毛クリニックの仕事も、基本的に一日座っていられるので、体力に不安がある先生にもおすすめです(参考記事:医療脱毛クリニックの医師の仕事)。

振り返ると、悪いことばかりではなかった

今休職されている先生には慎重に申し上げる必要がありますが、私自身の経験では、休職したことで、尊敬できる指導医や、働きやすい勤務先と出会えました。悪いことばかりではありませんでした。

もちろん当時は本当に大変で、絶望しきっていました。でも後から冷静に振り返ると、あのとき休職できなかったら、立ち直れなくなるまで追い込まれていたと思います。早めに逃げることができて助かった、と思い直したこともありました。先生方もきっと、数年後に冷静に振り返るときには、今とは違う気持ちで振り返れると信じています。

何度も言いますが、医師免許と健康な心身があれば、生計を立てるのに困ることはありません。必ず大丈夫です。どうか先生方に、良い勤務先との出会いがありますように。

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この記事を書いた人:管理人 転職経験のある現役医師。複数の医師求人会社と面談し、いくつもの医療機関の採用面接を受けて転職しました。自分が転職するときに知りたかった情報を、失敗談も含めて書いています。 プロフィールを見る →