医療脱毛クリニックへの転職

医療脱毛クリニックで非常勤医師として5年近く働いて分かったこと

以前、私は医療脱毛クリニックでの非常勤勤務について、当サイトで何度か紹介したことがありました。問診を中心とした業務で、比較的勤務負荷が少ないこと。特別な手技や専門的なスキルを求められる場面が少なく、初期研修を修了したばかりの医師3年目の先生でもアルバイトとして始めやすいこと(参考記事:医療脱毛クリニックで働けるのはどんな先生か|研修医・年齢・性別・向き不向き)。そして、勤務中の空き時間を勉強や読書などに充てやすいことなどから、一時期はかなり積極的におすすめしていた仕事でした。

私自身が医療脱毛クリニックで働き始めたのは、もう5年近く前になります。その間には、大手医療脱毛クリニックの経営破綻をはじめ、勤務を始めた当時には想像していなかった出来事もいろいろとありました。幸い、私は同じ職場で勤務を続けることができていますが、5年近く働いていると、最初の頃とはまた違ったものが見えてくるようになりました。今回は、医療脱毛クリニックでの非常勤勤務について、長く働いてきたからこそ感じていることを、少し振り返ってみたいと思います。

そもそも当サイトの始まりは医療脱毛クリニックのアルバイト紹介でした

現在、私はこちらの「医師転職トータルサポート」を、医師の転職についての情報を発信するメインのサイトとして運営しています。記事数も随分と増え、月間のアクセス状況を見ても、多くの先生方にご覧いただけるようになりました。大変ありがたいことだと思っています。実は、私が医師向けの情報発信を始めたきっかけは、医師の転職全般について紹介したいと考えたからではありません。もともとは、医療脱毛クリニックのアルバイトを紹介するサイトを立ち上げたことが始まりでした。

今になって当時のサイトを振り返ると、かなり荒削りなものでした。それまでまとまった文章を書く経験もほとんどなく、情報発信を目的としたWebサイトを作るのも初めての経験でしたので、文章にも構成にも、今から考えると突っ込みどころが多かったように思います。それでも、自分が経験したことを他の先生方にも知っていただきたいという気持ちで、少しずつ記事を書き始めたことを覚えています。

その後、医師の転職全般について情報発信するようになり、後から立ち上げた現在のサイトの方が大きく育ってきました。一方、最初に作った医療脱毛クリニックの紹介サイトは、掲載している情報が随分と古くなっていたこともあり、つい先日、いったん閉鎖することにしました。もともと掲載していた記事については、代表的な内容をいくつかにまとめ、現在のサイトに移行して残す形としています。その作業をしているうちに、そもそも自分の情報発信はここから始まったのだと、少し懐かしい気持ちになりました。そして、考えてみれば自分自身も週1回の非常勤勤務を5年近く続けているわけですから、このあたりで一度、経験をまとめておこうと思った次第です。

私が医療脱毛クリニックで働き始めた理由

私は普段、週4日は保険診療の仕事をしています。一方で、週1回くらいは普段とは違う仕事をして、少し気分転換ができればと考えていました。もちろん、生活費を確保するという目的もありましたが、できれば勤務負荷がそれほど高くなく、無理なく続けられる仕事が理想でした。そんなときに思い出したのが、医療脱毛クリニックでした。実は、私自身が以前にお客さんとして医療脱毛を受けた経験があり、医療脱毛クリニックがどのような場所なのか、ある程度のイメージを持っていました。

お客さんとして通っていたときには特に意識していなかったのですが、ふと、自分が医師としてこちら側で働いてみるのはどうだろうかと考えるようになりました。そこで求人を調べてみたところ、たまたま勤務条件の合う募集が見つかり、応募してみることにしました。当初は別の保険診療の医療機関が第一希望だったのですが、そちらは他の先生が採用されたため、現在の医療脱毛クリニックは正直なところ第二希望でした。しかし、応募から採用までとんとん拍子に話が進み、結果的に現在の職場で働くことになりました。特に綿密な計画を立てて選んだ職場というわけではなかったのですが、5年近く経った今から振り返ると、良い職場に巡り合えたのではないかと思っています。

医療脱毛クリニックでの仕事内容や、一般的なメリット・デメリットについては、以前の記事でも紹介していますので(参考記事:医療脱毛クリニックの医師の仕事|一日の流れ・忙しさ・給与・職場の人間関係、医療脱毛クリニックは非常勤がオススメ)、今回はそれらを繰り返すのではなく、実際に長く働いてみて感じたことを中心にお話ししたいと思います。

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週1回の勤務というバランスが非常に良かった

まず、5年近く働いてきて最も良かったと感じているのは、週1回という勤務頻度が、私の生活にとってとても良いバランスになっていたことです。普段の保険診療では、自分自身の判断や責任が直接問われる場面も多く、精神的にもそれなりの負担があります。一方、医療脱毛クリニックでの勤務は、もちろん医師としての責任があることに変わりはありませんが、私の勤務先では比較的落ち着いている時間も多く、普段の仕事とは異なるペースで働くことができています。特に良かったのは、空き時間を活用して、本を読んだり、勉強や研究をしたり、他の仕事に関する事務作業を進めたりする時間が確保できたことです。毎週1回、こうした時間がある程度確実に確保できるというのは、私にとって本当にありがたいことでした。

この5年近くの間には、私生活でもさまざまな変化がありました。家族が増えたこともあり、自宅で一人になって落ち着いて本を読んだり、何かに集中して取り組んだりする時間は、以前よりも確保しにくくなりました。しかし、医療脱毛クリニックで勤務している日は、仕事という形で普段の生活から少し切り離されます。その中で、診療の合間に自分の勉強や仕事に集中できる時間が生まれることは、思っていた以上に大きな意味がありました。

もちろん、仕事に行って休んでいるというわけではありませんし、必要な診療や対応はきちんと行っています。ただ、普段の勤務に比べて負荷が少なく、自分の中で少し余裕を持てる日が週に1回あるということは、生活全体のバランスを取るうえでとても良かったと感じています。正直なところ、今ではこの週1回の医療脱毛クリニックでの勤務が、私にとって一つの楽しみにもなっています。

週1回の非常勤でも有給休暇を取得できた

長く勤務する中で、もう一つ良かったと感じているのが、有給休暇を取得できることです。私は週1回の非常勤勤務ですが、5年近く継続して勤務しているため、現在では年間3日ほどの有給休暇が付与されています。勤務先では実際にその有給休暇を取得することもできていますので、無理なく仕事を続けられる理由の一つになっています。

医師の非常勤勤務では、有給休暇という制度自体をあまり意識していない先生も多いのではないでしょうか。しかし、週1回の非常勤勤務であっても、継続勤務期間や出勤率などの要件を満たせば、法律上、有給休暇が付与されます。特に同じ職場で長く勤務している先生であれば、すでに有給休暇が発生していることが多いと思います。非常勤だから有給休暇はないものと思い込まず、一度、ご自身の勤務条件を確認してみることをおすすめします。このあたりについては、別の記事でも詳しく紹介していますので、そちらも参考にしていただければと思います(参考記事:有給休暇は非常勤でも取れる!)。

医療脱毛業界の拡大と、大手クリニックの経営破綻

5年近く働いていると、職場の中だけではなく、業界そのものにもさまざまな変化がありました。その中でも特に衝撃的だったのは、大手医療脱毛クリニックの経営破綻です。私が医療脱毛クリニックで働き始めた頃には、すでに医療脱毛を提供するクリニックがかなり増えていました。当時から、そろそろ市場も飽和してくるのではないかと感じていたのですが、その後も予想以上の勢いで新規出店や事業拡大が続いていきました。しかし、ある時期から業界全体の状況が変わり始め、大手クリニックの経営破綻という事態も起こりました(参考記事:医療脱毛クリニック経営破綻の衝撃)。私自身、勤務を始めた当初には、これほど大きな変化が起こるとは予想していませんでした。

幸い、私が勤務しているクリニックは現在まで事業を継続しており、私自身も仕事を失うことなく勤務を続けられています。ただ、これは結果論であって、もし別のクリニックを選んでいたら、途中で勤務先を失っていたとしても決して不思議ではなかったと思います。非常勤医師の仕事を探す際には、どうしても時給や勤務時間、仕事内容などに目が向きがちです。しかし、いくら条件の良い求人であっても、勤務先の経営が行き詰まってしまえば、その仕事を続けることはできません。私自身、医療脱毛クリニックの非常勤勤務を始めた頃には、そこまで深く考えていなかったように思います。実際に業界の大きな変化を目の当たりにして、勤務先の経営状況や事業の安定性も、長く働くうえでは無視できない要素なのだと改めて感じました。

スタッフの入れ替わりは比較的多かった

もう一つ、長く勤務していて感じたことは、スタッフの入れ替わりが比較的多いということです。私自身は週1回の非常勤勤務ですので、他の医師と顔を合わせる機会はほぼありません。一方、看護師やその他のスタッフとは日常的に接する機会があり、この5年近くの間に本当に多くの方と一緒に仕事をしてきました。私の勤務先は全国に複数の院を展開しているため、他院への異動によって顔を合わせなくなるスタッフもいます。そのため、必ずしも退職によって人が入れ替わっているわけではありませんが、新しく入職してきた方が比較的短期間で退職されるケースも少なくないように感じています。

若い時期に美容医療の世界に入ってみて、自分に合っているかどうかを確かめる方もいるのかもしれません。あるいは、実際に働いてみて、当初考えていた仕事内容や職場環境との違いを感じる方もいるのでしょう。看護師の方については、以前は一般病院で勤務していたという方も多くいらっしゃいました。実際にお話を聞いていると、病棟などの忙しい現場で働くことに疲れてしまい、環境を変えたいと考えて美容医療に転職してきたという方もいました。

ただし、自由診療には自由診療ならではの大変さがあります。保険診療の現場とは求められるものが異なりますし、患者さんへの対応や職場内の人間関係など、決して楽なことばかりではありません。どちらの働き方が良いというよりも、その人の性格や希望する働き方に合っているかどうかが大切なのだと思います。

長く勤務することで、求められる役割も変わってきた

私自身、最初は週1回の非常勤医師として、ごく一般的な問診業務を中心に行っていました。しかし、5年近く同じ職場で働いていると、いつの間にか比較的古株の医師になり、少しずつ求められる役割も変わってきました。例えば、他院のスタッフから相談を受けたり、通常の問診業務とは別の仕事を依頼されたりする機会が増えてきました。医療脱毛クリニックでは、スポット勤務で1日だけ働く医師も少なくありません。そのため、少し複雑な事例や判断に迷う問題が発生した際に、他院から相談を受けることもあります。

厳密にいえば、こうした仕事のすべてが私の本来の担当業務というわけではないのかもしれません。ただ、私自身は可能な範囲で、こうした依頼も積極的に引き受けるようにしています。もともと勤務にはある程度の余裕がありますし、私が対応することで法人全体の業務が円滑に進むのであれば、それは良いことだと思っています。もちろん、自分で対応できる範囲には限界がありますが、できることについては、なるべく気持ちよく協力したいと考えています。このあたりは、長く同じ職場で働くようになったからこそ変わってきた部分なのかもしれません。単に与えられた問診業務をこなすだけでなく、少しずつ職場全体の運営にも協力する立場になってきたように感じています。

医師とスタッフの関係は、日々の仕事の積み重ねで変わっていく

最後に、これは5年近く働いてきた中で、個人的に印象に残っていることなのですが、医師とスタッフの関係についても少し触れておきたいと思います。医療脱毛クリニックでは、医師の時給が1万円程度という求人もあります。私の勤務先でも、医師とその他のスタッフでは給与水準にかなりの違いがあります。スタッフの立場からすれば、自分たちは忙しく働いている一方で、医師は診察室に座っている時間が長く、それでいて自分たちよりもかなり高い時給を受け取っているように見えるかもしれません。もちろん、医師には医師としての資格や責任がありますので、単純に時給だけで比較できるものではありません。ただ、現場で一緒に働くスタッフが、そうした待遇の違いについて複雑な気持ちを持つことがあったとしても、不思議ではないと思います。

実際、勤務を始めた頃には、スタッフとの間に多少の距離を感じることもありました。しかし、長く働く中で、少しずつその関係も変わってきたように感じています。例えば、対応が難しい患者さんに関する相談を受けたり、スタッフだけでは判断しにくい問題を引き受けたり、少し面倒な業務でも積極的に対応したりするようにしていると、スタッフの反応も徐々に変わってきました。クリニック全体のインターネット回線が落ちたときは、比較的ITに強くなってきたこともあり、復旧に一役買ったこともあります。最初から何でも相談されるような関係だったわけではありませんが、こちらができる範囲で仕事を引き受けているうちに、次第に相談もしやすくなり、日常的なコミュニケーションも円滑になってきたように思います。

これは、実際に長く働いてみて初めて実感したことでした。医師という資格があるからといって、自然に周囲との信頼関係ができるわけではありません。むしろ、日々の仕事の中で、周囲のスタッフが困っていることにどれだけ協力できるかということが、職場での働きやすさにもつながってくるのだと思います。もっとも、スタッフの入れ替わりがある職場ですので、人間関係もずっと同じというわけではありません。新しいスタッフが入ってくれば、また少しずつ関係を築いていく必要があります。それでも、5年近く働いてきた現在は、勤務を始めた頃に比べると、随分と居心地の良い職場になってきたように感じています。

5年近く働いてみて感じていること

振り返ってみると、医療脱毛クリニックでの非常勤勤務は、私にとって良い選択だったと思います。普段の保険診療とは異なる仕事を週1回行うことで、生活の中に少し余裕が生まれました。空き時間に勉強や読書、他の仕事を進めることもできましたし、家族が増えて生活環境が変わる中でも、無理なく続けることができました。

一方で、業界全体の経営環境が大きく変わり、大手クリニックが経営破綻するという出来事もありました。また、スタッフの入れ替わりや、職場内での人間関係など、長く勤務しなければ分からなかったことも少なくありません。最初は、勤務負荷が少なく、時給も比較的良いという点に魅力を感じて始めた仕事でした。しかし、5年近く経った今では、それだけではなく、職場の中で少しずつ役割ができ、人間関係も築かれ、毎週安心して勤務できる場所になっていることに価値を感じています。

非常勤勤務というと、つい時給や勤務条件を比較してしまいがちですが、同じ職場で長く働くことによって得られるものもあるのだと思います。医療脱毛クリニックの非常勤勤務は、現在でも働き方の選択肢の一つとして魅力があると考えています。ただし、すべてのクリニックが同じような勤務環境というわけではありませんし、経営状況によっては仕事そのものがなくなる可能性もあります。これから医療脱毛クリニックでの非常勤勤務を検討される先生には、給与や勤務時間だけでなく、その職場で無理なく働き続けられそうかという点にも目を向けていただければと思います。

私自身は、結果的に良い職場に巡り合うことができました。今後も無理のない範囲で、できるだけ長く続けていければと考えています。

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この記事を書いた人:管理人 転職経験のある現役医師。複数の医師求人会社と面談し、いくつもの医療機関の採用面接を受けて転職しました。自分が転職するときに知りたかった情報を、失敗談も含めて書いています。 プロフィールを見る →