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ハイブリッド勤務は雇う側からどう見えるのか――週4日常勤と週1日非常勤の現実

  1. 雇う立場としての非常勤
  2. 雇われる側の立場としての非常勤 メリット編
  3. 雇われる側の立場としての非常勤 デメリット編
  4. 雇われる側の立場としての非常勤 対策編
  5. 雇う立場としての常勤
  6. 雇われる立場としての常勤 メリット編
  7. 雇われる立場としての常勤 デメリット編
  8. 雇われる立場としての常勤 対策編
  9. 雇われる側のハイブリッド勤務 メリット編
  10. ハイブリッド勤務は雇う側からどう見えるのか――週4日常勤と週1日非常勤の現実(この記事)

以前、当サイトでは、常勤と非常勤を組み合わせた「ハイブリッド勤務」という働き方をご紹介しました。これは当サイト独自の呼び方ですが、基本的には週4日の常勤勤務に週1日の非常勤勤務を組み合わせることで、それぞれのメリットを活かそうという働き方です。常勤としての安定した雇用や社会保険などの待遇を確保しながら、残りの曜日に非常勤勤務を入れることで、収入の増加や働き方の柔軟性を得ようという考え方になります。(参考記事:ハイブリッド勤務の考察(週4常勤+週1非常勤)、雇われる側のハイブリッド勤務 メリット編)

もちろん、週4日常勤と週1日非常勤に限る必要はありません。週3日常勤に週1〜2日の非常勤を組み合わせる方法もありますし、体力のある先生であれば、週5日の常勤勤務に週2日の非常勤勤務を加えるという働き方も、理屈の上では考えられます。ただし、後者は休みがなくなってしまうため、長期的に続けるには相応の負担があるでしょう。いずれにしても、一つの常勤勤務先を生活の基盤として確保し、残りの曜日を非常勤勤務に充てることで、常勤の安定性と非常勤の柔軟性、比較的高い給与水準を組み合わせることが、この戦略の基本になります。

さて、今回はこのハイブリッド勤務について、少し違った角度から考えてみたいと思います。それは、医師を雇う医療機関側から見た場合に、このような働き方がどう受け止められるのかという点です。勤務する先生にとって魅力的な働き方であっても、雇う側がそれを受け入れられなければ成立しません。常勤と非常勤では雇用する側の事情も異なりますので、それぞれについて考えてみたいと思います。(参考記事:雇う立場としての常勤、雇う立場としての非常勤)

週3〜4日の常勤勤務は、雇う側にとって問題になるのか

まず、ハイブリッド勤務の大きな柱となる常勤勤務について考えてみます。この戦略では、週3日ないし週4日の常勤勤務を確保することが基本になりますが、雇う側から見ても、それほど問題にならないケースの方が多いのではないかと私は考えています。もちろん、診療内容や勤務形態、医療機関の体制によって事情は大きく異なります。

例えば、急性期病院で病棟を担当し、週5日の勤務を基本としながら、実際には土日にも回診などで出勤しなければならないような職場では、この戦略はあまり向いていません。病棟管理の責任が重く、休日にも頻繁に呼び出されるような環境では、別の医療機関で非常勤勤務を入れてしまうと、常勤先での業務に支障が出る可能性があるためです。特に、担当医が継続して対応することを前提とした診療体制では、勤務日数を減らすこと自体が難しい場合もあるでしょう。

一方で、外来診療を中心とした仕事や訪問診療などでは、週4日勤務でも十分に成立するケースがあると思います。病棟を担当する仕事であっても、当直体制がしっかり整備されており、勤務時間外のオンコールがほとんど発生しないような職場であれば、現実的な選択肢になるのではないでしょうか。実際、病院の求人でも週4日勤務を条件としているところはありますし、病棟を担当しない外来中心の仕事であれば、勤務日数の調整はさらにしやすいと思います。

また、勤務先によっては週3日勤務でも常勤として雇用するケースがあります。社会保険についても、勤務時間や勤務先の条件によっては、週20時間程度の勤務から加入できる場合があります。ただし、雇用契約上の常勤という扱いと、診療報酬の施設基準などで定められている常勤の要件は必ずしも同じではありません。この点は区別して考える必要がありますが、必ずしも週5日働かなければ常勤としての待遇を得られないわけではありません。

したがって、非常に業務量が多く、土日祝日も関係なく働かなければならないような職場を除けば、週3〜4日の勤務を希望すること自体が、雇う側にとって大きな問題になるとは限らないと考えています。

ハイブリッド勤務に向かないのは、オンとオフが曖昧な職場

逆に、週4日勤務では雇いにくい、あるいは他の医療機関で非常勤勤務をされると困るという職場は、どのようなところでしょうか。私が考えるのは、常勤医師に対する業務上の依存度が非常に高い職場です。例えば、土日も担当医が回診しなければ病棟が回らず、オンコールも頻繁に発生するような病院では、他の勤務先を持つことが問題になる可能性があります。非常勤として別の病院で勤務している最中に、常勤先の患者さんへの対応を求められても、すぐには動けないからです。医療機関側としても、そのような勤務形態を認めることには慎重にならざるを得ないでしょう。

もっとも、これはハイブリッド勤務そのものの問題というよりも、常勤先の勤務体制の問題でもあると思います。勤務時間とそれ以外の時間が明確に区別され、担当医が不在でも他の医師が対応できる体制が整っていれば、勤務日数が週4日であることが直ちに問題になるわけではありません。病院勤務であっても、オンとオフの切り替えがしっかりしている職場であれば、十分に検討できる働き方だと考えています。

そのため、ハイブリッド勤務を考える先生には、まず常勤先の選び方を大切にしていただきたいと思います。単に週4日勤務が認められているというだけでなく、過剰な業務負担がなく、休日や勤務時間外の対応が適切に分担されていることが重要です。雇う側から見ても、そのような勤務体制が確立している職場であれば、他の曜日に非常勤勤務をしていることは、それほど大きな問題にはならないのではないでしょうか。

そもそも、毎日のように病院から連絡が入り、休日も十分に休めない環境で働いている先生が、働き方を変えたいと考えているのであれば、今の勤務先を続けるべきかどうかも含めて、一度考えてみる時期なのかもしれません。忙しい職場で働くこと自体にやりがいを感じているのであれば、それは一つの選択です。しかし、仕事と私生活のバランスを見直したいのであれば、常勤先の勤務環境そのものを変えることも検討すべきだと思います。

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日当直の調整には注意が必要

もう一つ、常勤勤務と非常勤勤務を組み合わせる際に注意しておきたいのが、日当直の問題です。普段の勤務曜日が決まっていても、常勤先から当直や日直を依頼されることがあるため、別の勤務先との調整が必要になる可能性があります。

例えば、月曜日、火曜日、木曜日、金曜日の週4日を常勤先で勤務し、水曜日に別の医療機関で非常勤勤務をするケースを考えてみます。この場合、火曜日の夜に常勤先で当直が入ってしまうと、水曜日の非常勤勤務に間に合わなくなることがあります。当直明けの勤務終了時刻によっては、移動時間も含めて調整が難しくなるでしょう。日曜日に勤務を入れる先生はそれほど多くないかもしれませんが、休日の日直や当直についても、同じような問題が考えられます。

そのため、ハイブリッド勤務を始めるのであれば、非常勤勤務を入れる曜日について常勤先にあらかじめ説明し、日当直の予定も含めて調整しておくことが望ましいと思います。後から勤務日が重なってしまうと、お互いにストレスになりますし、勤務先との関係にも悪影響を及ぼしかねません。そもそも日当直を担当しない契約であれば、この点はあまり問題にならないでしょう。

反対に、頻繁に日当直を依頼され、休日の予定もなかなか確定できないような職場では、ハイブリッド勤務を安定して続けることは難しいと思います。そうした意味でも、常勤先を選ぶ際には、単に給与や勤務日数だけでなく、日当直の頻度や勤務時間外の対応についても確認しておくことが重要です。

非常勤を雇う側にとって、掛け持ちは特に珍しいことではない

次に、非常勤勤務を雇う側の立場から考えてみます。こちらについては、私はほとんど問題にならないのではないかと考えています。そもそも週1日だけの非常勤医師を募集する場合、その先生が他の曜日にも別の医療機関で働いていることは、雇う側としても十分に想定しているはずです。週1日の勤務だけで生活している先生は少数で、むしろ複数の勤務先を掛け持ちしている先生も少なくないと思います。

もちろん、家庭の事情などによって週1〜2日しか働けず、その医療機関だけで勤務している先生もいらっしゃるでしょう。しかし、週1日の非常勤勤務を希望する先生の中には、今回のようなハイブリッド勤務をしている方もいれば、常勤先を持たず、複数の非常勤勤務を組み合わせている方もいます。医療機関側としても、他の曜日に別の仕事をしていることは、ある程度前提として考えているのではないでしょうか。

また、通常の外来非常勤であれば、勤務時間外にオンコール対応を求められることは基本的に少なく、契約にない当直などを急に依頼されることも一般的ではありません。

そのため、非常勤医師を雇う側から見ると、先生が他の曜日に常勤として働いているか、それとも別の非常勤勤務をしているかということは、それほど重要な問題ではないと思います。大切なのは、契約した曜日に安定して勤務してもらえること、そしてその医療機関で求められる診療をきちんと担当してもらえることです。少なくとも、他の勤務先を持っているという理由だけで、採用上の大きな問題になるとは考えにくいでしょう。

週5日の常勤勤務を週4日に変更してもらう交渉は可能か

ここまで、ハイブリッド勤務を雇う側から見た場合について考えてきましたが、もう一つ取り上げておきたいことがあります。それは、現在週5日で常勤勤務をしている先生が、週4日勤務に変更してもらえないかと交渉するケースです。

当サイトの記事を読んでハイブリッド勤務に興味を持った先生の中には、今の常勤先を辞めずに、勤務日数だけを減らす方法を考える方もいらっしゃるかもしれません。では、そのような相談を受けた医療機関側は、どう考えるのでしょうか。

これは、医療機関の状況によってかなり異なると思います。例えば、慢性的に医師が不足している病院で、これまで週5日勤務していた先生が週4日になると、医療機関側としてはかなり厳しいというケースもあるでしょう。単純に考えれば、その先生が担当していた勤務時間の2割が減ることになるため、その分の診療体制をどう維持するかという問題が発生します。医療機関によっては、週5日勤務を続けてもらわなければ困るという事情もあるはずです。

ただし、ここで考えておきたいのは、週4日勤務への変更を認めなかった結果、その先生が退職してしまう可能性です。医師が不足している医療機関であれば、週5日勤務を続けてもらうことが理想だとしても、完全に辞められてしまうよりは、週4日でも勤務を続けてもらう方がありがたいという判断も十分に考えられます。これは雇う側としても、無視できない問題だと思います。

もちろん、週4日への変更を認める医療機関もあれば、どうしても難しいという医療機関もあるでしょう。病棟管理や外来の担当曜日、他の常勤医師との業務分担などによっても事情は変わりますので、一概に交渉が成功するとはいえません。しかし、少なくとも相談する余地はあるのではないかと私は考えています。

雇う側には、人件費が減るというメリットもある

ここで、少しお金の面についても考えてみたいと思います。週5日勤務から週4日勤務に変更する場合、給与については、単純に勤務日数に比例させれば従来の5分の4、つまり80%になるという考え方ができます。もちろん、実際の給与体系や契約内容によって異なりますが、このような条件で合意するのであれば、医療機関側の給与負担は2割減ることになります。

また、意外と見逃せないのが社会保険料の事業主負担です。医師は給与水準がやや高いため、医療機関が負担する社会保険料も相応の金額になることがあります。給与が減額されれば、標準報酬月額の変更に伴って社会保険料の事業主負担も軽減される場合があります。ただし、社会保険料には等級や上限があるため、給与が80%になったからといって、保険料も必ず80%になるわけではありません。退職金についても、勤務日数や給与の変更がどのように影響するかは、勤務先の制度によって異なるでしょう。

いずれにしても、雇う側から見れば、週5日から週4日への変更は、勤務してもらえる時間が減る一方で、人件費の負担も減るということになります。そのため、勤務日数を減らすことが必ずしも医療機関側にとって一方的な不利益になるとは限りません。

さらに重要なのは、新たに医師を採用するための費用や労力です。仮に週5日勤務を続けてもらえないという理由で、その先生が退職してしまった場合、医療機関側は新たな常勤医師を採用しなければならなくなります。医師の採用は簡単ではなく、人材紹介会社を利用する場合には、紹介手数料だけで何百万円もの費用が発生することがあります。それに加えて、求人の条件を調整したり、面接をしたり、入職後の業務を引き継いだりと、かなりの時間と手間が必要になります。

しかも、新しく採用した先生が、それまで勤務していた先生と同じように働いてくれるとは限りません。診療能力だけでなく、他の医師や職員との人間関係、患者さんとの相性、職場の方針への理解など、実際に働いてみなければわからないこともあります。採用した先生が職場に馴染めず、短期間で退職してしまう可能性もあるでしょう。医療機関側から見ると、新たに医師を採用することには、こうしたリスクも伴います。

そのため、これまで良好な関係を築き、安定して勤務してくれていた先生であれば、週5日から週4日に変更してでも残ってもらう方が、医療機関としてはありがたいと考えることもあるはずです。週1日分の労働力が減ることは確かですが、まったく新しい医師を一から探すことと比較すれば、週4日でも勤務を続けてもらえるメリットは決して小さくありません。

もちろん、これまでの勤務状況や医療機関の事情によって判断は変わりますので、誰でも簡単に週4日勤務へ変更できるというわけではありません。しかし、現在の勤務先と良好な関係を築いている先生であれば、いきなり退職を考える前に、勤務日数の変更について相談してみる価値は十分にあると思います。

ハイブリッド勤務を実現するために、必ずしも今の常勤先を辞める必要はありません。雇う側の事情も理解しながら、双方にとって無理のない条件を探していくことができれば、今の職場を維持したまま、働き方を変えることも可能ではないでしょうか。

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この記事を書いた人:管理人 転職経験のある現役医師。複数の医師求人会社と面談し、いくつもの医療機関の採用面接を受けて転職しました。自分が転職するときに知りたかった情報を、失敗談も含めて書いています。 プロフィールを見る →